まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「こわ~い話」を練習中!

延長保育の時間、大体午後5時ちょっとすぎた辺りに
お迎えの「第1のピーク」がありまして。
お子たちが続々と帰って行きます。

さっきまで大変な騒ぎだった部屋が少し静かになると、
年長の女の子たち数人がわたしのそばへ来て、毎日こう言うのです。
「先生、こわ~いお話、して!」
「今すぐこわい話しないと、耳元で大声でわめくけど、いいの?」
(一体どういう頼み方なんでしょうか…)。

そんな訳で、幼稚園にある絵本の中から怖いお話を選りすぐって
毎日読んでやっております。

「やまなしもぎ」に「おぶさりてい」、「おいてけぼり」や「ばけものでら」。
ばあさまになったり、化け物になったり、旅の坊さんになったり、
男の子になったりしながら、楽しく読んでやっています。

多分、わたしたち人類のDNAには「ストーリーテリング」が
組み込まれているせいなのでしょう、
今の園児たちも、生身の人間が語る「お話」が大好きなのです。

昔はきっと、炉端で火を囲みながら、「じっちゃ」や「ばっちゃ」の
語る昔話にみんなで耳を傾けていたんだろうなあ、
そう言えば、わたしも小さかった頃、晩酌しながらとうさんが話してくれる
昔のお話(無免許で校庭でトラックを運転してフェンスに激突した話や、
苦学生だった頃、解剖に使ったコイを仲間と美味しく食べた話など)が大好きだったなあ。
機嫌よくお酒を飲み、かあさんが用意したつまみを食べながら、
話し上手だったとうさんがニコニコと話をしていた様子が今も目に浮かびます。

わたし、実は今、密かに「素話」の練習中。
「素話」は絵本や紙芝居などを使わずに、お子たちの目を見ながら
物語を語る方法です。
これで「三枚のお札」を語れるようになるべく、
誰もいない日中のアパートで練習を重ねております。
お伴はスマホ
簡易ボイスレコーダーアプリを入れてあるので、それを使って
語りを録音し、聞き直して修正し、また録音して…を繰り返しています。
緩急の付け方、間の取り方など、かつて受けた落語講座の
師匠に注意されたことなども思い出しつつ(こんな形で落語が役に立つとは!)、
よりこわ~く、よりリアルに語れるよう、おばちゃん先生は頑張っているのです。

…お子たち、覚悟して待っていなせえ!!!