まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

科学する心を忘れるな、ととうさんは言った。~NHK Eテレ 「考えるカラス」~

亡くなったとうさんは、化学の教師だった。
学校が休みになると、学校で着ている白衣を持ち帰って来た。
買ったばかりのものでも、薬品でいつも穴が開いちゃってて、
かあさんは「すぐ穴開けるんだから~」とこぼしてたっけ。
 
わたしがまだ小さかった頃、とうさんはわたしとよく遊んでくれた。
家でバドミントンしたりしただけじゃなく、お出かけするのもいつもとうさんと一緒。
とうさんはわたしを、天文台や科学館へ連れて行ってくれた。
まだ小さかった頃に見た太陽黒点や炎色反応、プラネタリウムにシムエルカー。
(シムエルカーとは、20円入れると運転手気分が味わえる、
原始的なドライブシミュレーターみたいな車のこと)
「文系」とか「理系」とかいう言葉とは縁遠かった小さなわたしの心に、
漠然とだったけど「科学っておもしろい!」という思いが強力に刷り込まれた。
 
とうさんの口癖は「科学する心を忘れるな」だった。
なぜ、そうなるか。
よく観察して、仕組みを考える。
そして、どうすれば自分の望む状態に出来るかを考える。
いいか、いつも科学する心を忘れるんじゃないぞ。
 
ねえさんもわたしも、残念なことにとうさんの理系の才能を受け継がなかった。
特にわたしは、算数の学習障害があり、立体や図形の問題や
空間把握の問題が壊滅的なありさまだった。
とうさんは、内心わたしたちにがっかりしてたと思う。
でも、「科学する心を忘れるな」という言葉だけは、
ずっとずっと言い続けた。
 
科学する心を育てる素敵な番組を見つけた。
Eテレで毎週火曜日の朝9時10分から放送される「考えるカラス」。
小学校中学年から中学生を対象にしていると言うが、
大人が見ても十分に楽しめる内容だと思う。
毎週予約して、娘と一緒に見るつもり。
 
・・・とうさん、科学する心、忘れてないよ。