まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

日本のアニメが忘れてしまったものがここにある~「ベイマックス」をみた~

将来的に視覚デザインの勉強をしたいという娘と、
ベイマックス」を見に行った。
予告編は何度か見ていたけど、あんまり期待はしていなかった。
娘も「アナ雪もビジュアルは凄かったからね~。
なんかお話は面白くなさそうだったし」と期待薄の様子だった。
 
しかし!!!
ベイマックス」はとても面白かったのである!
わたし個人としては「アナ雪」の何倍も感動した。
普段非常にドライで辛口な人間である娘も
「いやあ、すごく面白かった!
ディズニーの底力って感じだったよね~!
ビジュアルはもちろんだけど、
お話もすごく良かったよ~!」
と結構興奮した口調で言ってたくらいだ。
 
内容を話しちゃうとこれから見る方に申し訳ないので、
さらっと触れる程度にしておくと・・・。
これを見て「展開がベタ過ぎる」って言う人も多いと思う。
出会いがあって、大事な人との別れがあって、友情があって、冒険がある。
そして、初めは未熟だった主人公がそうした出来事を通して成長していく。
正直言ってアニメーションの王道的な展開だ。
目新しさとか意外性というものはちょっと足りないかもしれない。
でも、それがとても心地よかったのだ。
最近の日本のアニメーションは反対に「目新しいもの」「新奇なもの」ばかりを追い求めすぎて、
「見る人の心に何を訴えたいのか」「人は何に心を動かされるのか」と言った大切なことを、
どこかに置き去りにしてしまっている感じがする。
または、ジブリの最後の2作品に見られるように
「繊細さ」「人の心の機微」と言ったものを描写することばかりに腐心し、
見る者の気持ちが高揚するようなダイナミックさを失くしてしまっているか。
 
ベイマックス」はおもちゃ箱のような作品だと思う。
夢も、希望も、ワクワクも、冒険も、全てが詰まっている。
そういうものに心を委ねてヒロたちの活躍に胸躍らせ彼らとときを過ごせば、
最後には温かい感動が待っている。
 
ベタ過ぎる!と嗤うひとは嗤えばいい。
わたしはこの作品を見て、
疲れていた気持ちが元気を取り戻すのを感じた。
案外みんな、そういう作品を待っているような気がする。