まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

福島県立美術館「広重ビビッド」を娘と見て来ました!

文化の日に、娘と福島県立美術館で開催中の
「広重ビビッド」を見て来ました。

・・・いやあ、もうビックリ、ビックリですよ。
浮世絵があんなに美しいものだったなんて!

今までにも広重や北斎の浮世絵を見たことは何度もありました。
何だか枯れたような色合いで、全体的に渋い感じに見えた浮世絵を、
「侘び、寂びってヤツかな?」などと思いつつ見ていたのですが・・・。
でも、今回の展示作品は、本当に「ビビッド」(=鮮やか)なんです。
それもそのはず、今回展示されている作品の多くは「初摺り」(=版木から最初に摺られた作品)であり、
広重や北斎が「あっ、そこ、もうちょっとぼかし入れて仕上げてみて」などと直接指示して摺り師に摺らせたもの。
そして、なんと摺られた当初の鮮やかな色合いをそのまま保っているため、
赤は鮮やかな赤であり、群青は深く豊かな群青であり、
緑は新緑から針葉樹までバラエティに富んだ緑であり、桜の桃色は春そのものの桃色なのです。
もう、その美しいこと、鮮やかなことと言ったら・・・!!!
目が幸せでお腹いっぱい。
眼福、眼福。

さてさて、すごいボリュームの作品群を楽しく見て歩いているうちに・・・なんだか・・・ちょっと・・・。
わたしは悲しい気持ちになってしまいました。
どの作品にも、険しい山やゆったりと流れる川など豊かな自然があり、
雨が降り、雪が降り、風が渡り、日が照り、月が輝き、満天の星が瞬く四季があり、
こぼれんばかりに花が咲き、木々が豊かに茂り、犬が遊んだり、鳥が飛んだりしています。
そして、そんな世界の中で人々が実にイキイキと暮らしている様子が見て取れるのです。

この国はほんの150年前までこんな国だったんだな・・・。
わたしたちは何かと引き換えに「心の余裕」をすっかり手放してしまったんだな・・・。
ペシミストのわたしは、そんな気持ちになってちょっとしょんぼりしてしまったのでした。

「広重ビビッド」はただいま絶賛開催中。
お近くの方も、そうでない方も、是非是非お出かけください!!!

     ※原安三郎コレクション 「広重ビビッド」
       2016年10月29日(土)-12月11日(日)
       作品保護のため、ほぼすべての作品が前期・後期で入れ替え
       前期は11月20日まで 後期は11月22日から
       福島県立美術館 (福島市森合字西養山1番地) TEL024-531-5511

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