まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

おばちゃん先生、絵本を読みながら落涙す

昨日、密かに恐れていた事態になった。

いつも「カブトムシのぶんちゃん」とか「クワガタのがたちゃん」など、
戦うシーンが出て来る昆虫絵本しか読んで欲しがらないKくんが、
「これ、読んで!」と初めての絵本を持って来た。
「ふたりぼっち」と言うタイトルのその本の表紙には、
くまさんと小さな白いネコが可愛らしいタッチで描かれていた。
「へえ、珍しいなあ、昆虫の本じゃないのか」と思いながら読み始めたところ…。

おもちゃ屋さんのショーウインドーに並べられたぬいぐるみたちと、
それを品定めするお客さんの姿。
「…これはもしかすると、まずい本かも知れない…」と思ったけれど、
読み始めてしまったのだがら仕方がない。
読み進めて行くと、案の定、白いネコとくまさん(何かの手違いで、
目の色が片方茶色、もう片方が青色のオッドアイ)の2匹は売れ残って行き…。
「この人こそ、連れて帰ってくれるのかも」と期待するものの、
買われて行くのはほかのぬいぐるみばかり。
結局くまさんと小さな白ネコは「ここにいたって仕方がない」と
店の外の世界に2匹で出て行くことにする。
初めのうちこそ初めて見る世界に大喜びしていたけれど、
雪と寒さ、疲れが2匹を襲い、道に迷って店に戻ることも出来なくなってしまう。
座り込み、雪に埋もれて行く2匹。
そして…というお話。

もう、可哀想で可哀想で、実は読みながら目から涙がぽろぽろ。
「心を無に、心を無に」と思いながら読んだけれど、
声が震えてしまうのを止められなかった。
相手がうちのお子たちだったら、「お母さん、泣いてるでしょ」とすぐにバレてしまうところ。
でも、Kくんにはバレずに済んだ。
何とか最後まで読み通したら…。
ホッとする間もなく、「もう一回読んで!」の声が。
そして、やっぱり2回目も涙がぽろぽろしてしまう、わたしなのだった。

「こんとあき」とか「だいじょうぶ、だいじょうぶ」とか、「ごんぎつね」とか、
絶対に泣かずに読めない絵本がなかったので安心してたんだけどなあ。
思わぬところから、「伏兵現る!」という一日だった。
(…と、思い出しながらキーを打っているだけで、やっぱりぽろぽろ泣いてしまうわたし。
涙腺がやたらとユルユルなのは、実は子供の頃からです)。