まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「欲望の経済史」を見ています

今年になってから、「こんな番組をやっていたのか!」
と驚かされる番組を見つけて興奮しています。。
見ると時折背筋がゾッとする思いをする瞬間があるけれど、
それでも見ずには居られない…。

1月9日の夜、何の気なしにBS1をつけたら、
何だかとても興味深い番組をやっている最中でした。
夢中になって見ていたため録画を思いつかず、
途中短いニュースが入った時に
「しまった、録画して夫や息子にも見せればよかった」
とようやく気づき、残り半分だけ録画した番組が、
「欲望の資本主義2018」でした。
副題は「闇の力が目覚める時」。
普段生活する中で
「これって一体どういうことなんだろう?」と疑問に感じていたことを
考えるヒントをたくさんくれる内容で、
知的好奇心をガシガシ刺激されました。

「欲望の資本主義2018」と言うくらいなので、
「欲望の資本主義2017」もあるはず!と思って調べたら、
やはり、昨年放送されていたのです。
そして、その番組が再編集され
「シリーズ 欲望の経済史」として現在放送されています。
録りだめしたものをゆっくり見ているのですが、
これもまた、時折信じられないほど恐ろしく且つ信じられないほど面白く、
「こんな世界に自分も生きているのだ」という現実に
時々ゾッとさせられたりしています。

番組の冒頭、毎回この言葉が掲げられます。
「歴史は繰り返す
一度目は悲劇として
二度目は喜劇として」
これはマルクスの言葉だそうです。
いや、一度や二度ではなく、
人類は飽きることなく歴史を繰り返し続けているんじゃないかな。
「文明」と呼ばれるものを持ち自らを記録し始めて以来、
ほぼ同じことをエンドレスで繰り返しているような
気さえしてしまうほどに。

どんどん作り、どんどん売って、どんどん儲ける者がいて、
必死で働いてお金を得て、得たお金でどんどん買って、また必死で働く者がいて。
どこまで続けても果てが無いのにみんな幸福ではない…。
まるで「シーシュポスの岩」みたいだなあ、と常々思っていました。
そして、有限な資源を貪欲に喰らいつくす自分たちは、
地球から見ると致命的なウイルスみたいな存在なんだろうなあ、
という思いを払拭できなくなってきていたのです
(以前、ビートたけしさんが「人間なんて、地球にとってみれば
ゴキブリよりよっぽどたちが悪いんだからな!」と言ってた意味が良く分かります)。
「人類の英知」などと言うけれど、そういうどう考えても
自分たちを含む「世界」を破滅へ破滅へと追い詰めて行くことしか出来ない、
「もっと作ってもっと儲けること=善」というルールで
みんなが血眼になって必死で闘っている今の世の中に、
訳の分からない思いを抱かずにいられなくなってきていたのです。

わたしは経済、というものにとても疎いので、
番組を見てもどれだけ深く理解できるかは分かりませんが、
とにかく全て見てみよう、そして良く考えてみようと思っています。

※「欲望の経済史」は全6回、現在第4回まで放送が終わっています。
 放送はNHK Eテレで毎週金曜夜10:30から(再放送は日曜午前0:00から)。
 第5回の放送は2月4日の予定です。
 放送終了分は「オンデマンド」で見られます。