まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

本物の「天才」を見て来ました

先月25日に、わたしの長年の夢が一つ現実となりました。
それは、「子供たちと一緒に『ブルーノート東京』へ行く」こと!
最近注目しているアーティスト、Jacob  Kollier のライヴを
結構いい席で見て来ました。

「Don't you worry 'bout a thing」から始まったライヴは、
まさに驚きの連続でした。
かの「マサチューセッツ工科大学」の協力で作られているらしい、
Jacob専用のセットは、ピアノにドラムにベースにパーカッションに
シンセサイザーに・・・と、ものすごい種類の楽器でぎっしり。
それをたった一人で演奏し、歌うのですから、
「ループ」などの技術を駆使しなければ成立しません。
ライヴを陰で支える技術スタッフ4名が紹介されていましたが、
演奏する姿をカメラで撮影し、瞬時に画像処理して
バックに映し出すなど、まさに最先端の技術を駆使したライヴでした。
そして・・・Jacobの才能のすごさ!!!
歌う、弾く、叩く、笑う、そして会場を駆け回る!
ものすごい音楽性とすさまじいハイテンションぶりとに、
完全に圧倒されてしまいました。
「いやあ、すごいねえ、びっくりだねえ」と息子はニコニコでしたが、
娘はブルーノートにいた時から浮かない顔でした。

ホテルに戻ってから娘に訳を尋ねました。
「ああいうのをさ、『天才』って言うんだよね、きっと。
どんなに頑張って努力してみたところで、
あたしみたいな『凡人』はああいう人の足元にも
及ばないんだなって思ったらね、
何だか悲しくなってしまったの」と娘が言いました。
「確かに彼は『天才』だけどね、でも、彼を評価する
世間の人たちはほとんどが『凡人』なんだよ」
とわたしは答えました。
「今日、ライヴを聞きながら、『ああ、いいタイミングで
この人のライヴを聞いたなあ。
あと数年経ったら、きっとこの人の音楽を
全く理解できなくなってただろうから』と感じたよ。
今日のライヴだって、みんな拍子が数えられなくて
手拍子出来なかったりしてたでしょう?」

そうだったのです。
Jacobが書く曲は「5.5拍子」(!)とか、凡人には
とても付いて行けないようなものも多く、
使うコードもあまりにも音を重ねすぎ、
「不協和音」の一歩手前(かギリギリアウトか)と
感じられるものも少なくなかったのです。
だから、Jacob自身はとても楽しそうだったけれど、
わたしたち聞いている人たちは彼ほど音楽の波に乗れず、
ただひたすら「すごいすごい」という気持ちだけが残りました。

10月20日に第2弾アルバムが出るそうです。
どういう方向に進んで行くのか・・・。
jacob  Kollier はまだたったの22歳です。