まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

天才とはこの人のためにある言葉だなあ!



先日NHKの「美の壺」という番組を見ていたら、
"You and I"のカバーが流れて来た。
一瞬「TAKE6の新しいアルバムが出たのかな」
と思ったけれど、どうも声質が違う。
番組のHPにその日流れる曲が載っているので調べたら、
「Jacob Collier」という人のバージョンだということが分かったんだけど・・・。

いやあ、本当に心底驚いちゃった。
Jacobは多重録音を駆使して、
全てのパートを歌い、全てのパートを自分で演奏してたのだ。
しかも、演奏できる楽器の種類がすごいし(冗談じゃなく数えきれないくらい)、
歌える音域もものすごく広い。
それだけじゃなく、楽器の演奏もそれぞれ超一流であり、
完璧なピッチと美しい声で広い音域をカバーしつつ複雑なヴォイシングの歌を軽々と歌い、
自分で行っている楽曲のアレンジも「TAKE6」を彷彿とさせる
(またはそれ以上に)複雑かつ美しいもので・・・。
そして、1994年生まれの22歳って言うんだから、
もう心底びっくり仰天してしまった。
実はもうメジャーデビューしていて、
"In my room”というアルバムを出しているんだけど、
デビューのきっかけはYouTubeでJacobの曲を聴いた
クインシー・ジョーンズが強力に後押ししたからなんだって。

彼はアルバムが出た辺りで"I Harm U"というキャンペーンをしたらしい。
世界中のいろんな国の人が寄せた短い歌に、
多重録音でハーモニーを付ける、という企画なんだけど、
その動画を見るといかに彼が優れた才能を持っているのかがよく分かる。

彼のヴォイシングはものすごく複雑で驚くほどなんだけど、
きちんと音楽理論を学んだ上で施しているものなので、
どれだけ音を重ね、テンションノートを使っていても
不協和音に聞こえないのがすごいところ。

イギリスの音楽一家に生まれたおかげで
音楽に囲まれて育ったらしいけれど、
本当に信じられないような才能の持ち主だと思う。
そして、歌っている時の彼の「音楽が大好き!」という楽しげな表情は、
いろいろな意味で恵まれた環境で育った証なのだと思う。
実は世の中には才能を持っている人って意外といるものだ。
でも、その才能を外部から潰されることなく成長できる人は、
決して多くないものだから。

興味を持った方は、是非YouTubeで楽曲を聞いてみて欲しい。
"You and I" "Flintstones" "Don't you worry 'bout a thing"
辺りがわたしのおススメ。
"You and I"はなんとTAKE6との共演版もあるので必見です。