まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

娘は巣立って行きました

大学の入学式を終えた娘に別れを告げ、
この町へと戻ってきました。

子供たちが二人で使っていた部屋はガランとして
開けるとヒンヤリとした空気が流れてきます。

・・・ホントにいなくなっちゃったんだな。

「夏休みになったらすぐ帰るから・・・」
半べそみたいになりながら、
鼻の頭を赤くしていた娘。
アパートの狭い台所でご飯を作っていたわたしに、
娘は幾度となくぎゅうっと抱き付いて来ました。
「何か大事なものを隠しておこうかな。
お母さんがすぐここに戻って来るように」。
段ボール箱の山にうずもれるようになりつつ
荷物の片付けをワイワイとしていた数日は
母親として至福のときでもありました。

同級生たちは、結構派手な感じの子が目立ちました。
いかにも田舎の真面目な高校生然としたうちの娘は、
そういう同級生たちの中で異質な感じに見えました。

「ダメ・・・仲良くなれそうな子が見つからない」
娘からのメールには湿度100%の文言が並びます。
引越すたびに幼稚園や小学校に馴染めず、
いじめられていた娘。
でも、いじめて来る子もいたけれど、
どこへ行ってもとても仲良くしてくれる子が見つかって。
きっと大学でもそうなるだろうと母は思っているのですが。

初めての一歩を踏み出す春、
実は期待よりも不安の方が何倍も大きくて。
でも、いつかは一人立ちしなくちゃならないんですからね。
地元の大学に通ったとしても就職する時には
みんな都会へ出て行くしかない、そういう場所なんですから。
夫の仕事だって、来年の春あたりまた転勤になりそうですし・・・。

がんばれ、娘。
「大丈夫、大丈夫」と電話ではへらへらしてるけど、
実はからっぽになった部屋を見て、
お母さんもめそめそしちゃってるんだよ。