まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

袈裟を拝む

昨日の毎日新聞に出ていた小学館の新刊案内に、
仰天の一冊が載っていた。
「保育園義務教育化」。
キャッチコピーは
「0歳からの義務教育が、母と子ども、そして日本を救う!」

この著者は、某テレビ番組で
「子供はばい菌だらけで汚いから大嫌い」と発言した人物だよ!
ついでに、性行為も
「いろんな液体とか出てきて汚いから嫌い」
と発言した人物なんだよ!

先の本の紹介に曰く、
「育児の孤立化を防ぎ、子どもの学力は向上し、
児童虐待は減少し、景気まで回復する?!」
だって。

・・・ついに来たか、と思った。
この社会情勢に乗じて、いずれどこかのバカ者(失礼!)が、
「生まれた時から国が子供を教育すべき」と言い出すに違いない、
と新刊本をチェックしてたが、よりによってこやつか!

テレビというマスメディアの、功罪の「罪」の方だ。
面白がってテレビに出し、
とんでもない意見を垂れ流しさせるからこういうことになるんだよ。
この人物の肩書きは「K大卒の新進気鋭の若き社会学者」。

わたしの大好きな一休さんの逸話に、
「袈裟を拝む話」がある。
一休さんがボロボロの衣を着て立派な家の前を通ったら、
「乞食坊主め、さっさと失せろ!」と罵声を浴びたんだって。
そこで試しに立派な袈裟を着て同じ家の前を通ってみたら、
「お坊さま、どうぞ上がって念仏を上げてやってください」と丁寧に頼まれたんだって。
「ははあ、この家では袈裟を拝むのだな」と思った一休さん
立派な袈裟を脱いでそれに向かってお念仏を唱えたら、
その家の人たちは恥じ入った、というお話。

日本という国全体が、まるで
「袈裟を拝む」ようになってはいまいか。

それにしても、内容が気になる。
買うのは勿体ないから、図書館で借りて読もうっと。