まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

役立たずなわたし

・・・お金が必要です。
かなり、切実に。
1年間に100万円の私大の学費に毎月9万円の仕送り、
さらに1年間で24万円の美大予備校の授業料。
今年度から公立高校の授業料免除もなくなりました。
青息吐息で支払って「どうにかなりそう」と思っていたのに・・・。
 
美大予備校から冬期講習のお知らせ。
何と、10日間で10万円ですと!
さらに、「入試直前講習」「春期講習」「夏期講習」「冬期講習」と年4回ある講習は、
全て受けなければならないそうなのです。
(「入塾なさる方に」というチラシにごく小さな文字で書かれていました)
その他に毎月1回人物デッサン会も会費別徴収だと言うのに。
 
夫が一馬力で働いているだけの我が家では、もう限界です。
年齢的にビル清掃や老人ホームの皿洗いの仕事しかないとは言え、
専業主婦で時間だけは自由になるわたしが働く番でしょう、ここは。
でも、夫は「外で仕事をするのだけは止めて欲しい」と言うのです。
「外で仕事をすれば人間関係で必ず摩擦が生じる。
あなたは神経が細いから、絶対そのストレスに耐えられない」と。
 
確かに、母親になる前、わたしは仕事をする度に挫折しておりました。
あの頃のわたしは、自分を「優秀な人物」だと誤解していたのです。
一応国立大を出ているし、成績だって良かったし、真面目な性格だし・・・と。
しかし、「発達障害」関連の書籍すべてに書いてあるとおり、
そんなわたしが「優秀」だと評価してもらえていたのは学生時代までの話でした。
社会人になった途端、わたしが持つ「発達障害」者としての特徴は、
常に周囲とのトラブルの元となり、
また、どんなに頑張ってもどうしてもきちんとした社会人になることが出来ない、というジレンマは、
わたし自身の自己評価をどんどん押し下げて行きました。
「大卒で先生の免状を持った人が来るって言うからどんなに優秀なのかと期待してたら、
この間まで働いてた高卒の子の方がよっぽど使えた。
いやいや、こんな役立たずが大卒だなんて、恐れ入った。
あたしは高卒だけど、大学なんかに行く必要なかったって、あんたを見てたらよく分かったわ」
お茶くみに毛が生えたような仕事に雇ってもらった時、
わたしの上司に当たる女性に言われたことです。
結婚して2年後くらいの時のこと、とある官公庁の臨時職員としての仕事でしたが、
毎日複数の男性職員から執拗に「セクハラ」されたのと、
上司の女性からネチネチと苛められたのとで、
わたしは10ヶ月間の契約期間が終わるまで耐え切れず、
8ヶ月目で辞めることとなったのでした。
 
あれから幾星霜。
わたしは「母」になりました。
そして、「うつ病」になり、その原因となったのが「発達障害」だったことを知りました。
もう、わたしは自分が「優秀」だなんて幻想は全く抱いていません。
でも、優秀な人間じゃなくても、働いて対価を得ることは出来るはず。
お金が必要なのに、お金がないのなら、長年ベンチを暖めてきた万年補欠の出番でしょう。
 
それなのに・・・。
「働きたい」と言ったら、夫と口論みたいになってしまいました。
夫曰く「お父さんのところに週3日通っていた時のことを忘れたのか?
あなたはあの頃ボロボロだったんだよ!
仕事なんかしたら、あの時の二の舞になるに決まってる。
お金がないなら、教育ローンででも借りればいいんだ。
あなたが働くのには俺は絶対反対だ。
第一、○○(娘のこと)が受験終わるまではあなたに常に家に居てもらわなければ。
○○さえ家を出れば、あとはあなたが倒れようと病気になろうと、
俺一人なんだから別に何てことはないんだし、働くならそれからにしてくれ。」
 
今、わたしはほぼ家に引きこもりの状態です。
発達障害」を抱えているわたしには、少額のものを買い込んで散財していまう癖があるため、
出来る限り家から出ないようにして節約しているのです。
こんな生活を、この町に越して来てから5年続けています。
でも・・・引きこもるのももう限界です。
「わたしは役立たずな人間だ」と思いつつずっと家にいることは、
外に出て働いて嫌な思いをするのとあまり変わらないように思います。
どうせ同じ嫌な思いをするなら、
対価としていくばくかのお金を得られた方がありがたいと思うのですが・・・。
 
夫が言うようにわたしが「世間知らず」で「考えが甘い」だけなのでしょうか。