まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

昭和も遠くなり始めています~高倉健さんの訃報に接して~

高倉健さんが亡くなられたそうだ。
奇しくもわたしのかあさんが亡くなったのと同じ日に。
この11月10日と言う日は、毎年「銀河鉄道」がやって来ることになっているのだろうか、
「お母さんが死んだ日に森光子も死んだんだな」と、
とうさんが言っていたのを思い出す。
 
高倉健さん。
わたしはあまり邦画が好きではなかったから、
あまり出演なさった作品を拝見したことはない。
でも、2年ほど前、遺作となった「あなたへ」が完成したあと、
放送されたインタビュー番組を見てすっかりその人柄のファンになってしまった。
(この時の放送については http://blogs.yahoo.co.jp/joy_spring2010/7129368.htmlで記事にしています)
 
番組を見たあと、すぐに購入したエッセイ「あなたにほめられたくて」は、
本当にチャーミングで可愛らしい人となりが伝わって来る素敵な作品だった。
その中でとても印象に残ったのは、高倉健さんが「こうだ!」と決めたら、
結構まっしぐらに突っ走ってしまう性質で、ご自分でも可笑しくなっちゃうくらい、ということ。
自分が好きになった女性のことは「お姫さま」みたいに扱ってあげたいから、
犬ぞりに乗せて寒くないように最高級の毛布を掛けてあげよう!と決めちゃって、
犬ぞりを走らせられるように訓練を受け、最高級の毛布も手に入れる。
でも・・・「肝心の女性がまだ見つからない」というオチ。
一時が万事、品が良くって可愛らしくてチャーミング。
そして、エッセイのタイトルにある「あなた」とは・・・お母さんのことだったのだ。
高倉健さんはずーっとお母さんに褒められたい一心で頑張って来たのだ、ということが分かると、
番組を見た時に感じた、「高倉健さんは永遠の少年」というイメージが一層強くなった。
 
高倉健さんは、わたしのとうさんより一つ年下だった。
昭和6年生まれ。
「降る雪や 明治は 遠くなりにけり」と詠んだ俳人がいたが、
昭和も少しずつ遠くなり始めているんだなあ。
 
高倉健さんのご冥福を心よりお祈りいたします・・・。