まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

高齢者の暴力~認知症の義父が医療保護入院になりました~

ブログの更新が滞ってましたが・・・。
 
先週義父が精神科の閉鎖病棟に入院しました。
後から義母に見せられた書類には「医療保護入院」の文字。
これは、精神病患者本人の同意を必要とせず、
主治医と家族の同意だけで入院させる形のものだそうです。
 
義父は投薬治療開始後もずっと激しい物忘れと幻覚・幻聴を抱えて、
「俺はもうダメになった、すっかりモウロクしてしまった」が口癖でした。
メマリーで穏やかになっていたのも束の間、
徐々に薬の量を増やしても症状も不安も治まらず、
イライラした義父はタバコや酒に走るようになりました。
止めようとする義母に対して激しい言葉を投げつけたり、
「腹を切って死んでやる!」と包丁を持ち出したり、
最終的には義母の首を絞めたりするようになってしまったのです。
 
家にいる間、義父は誰の意見にも耳を貸しませんでした。
義母はもちろん、SOSに応えて駆けつける夫の意見にも。
好きな時間に起き、食事も摂ったり摂らなかったり。
薬もきちんと飲んだり飲まなかったりし、
周囲がきちんとさせようとしても誰の言うことも聞かなかったのです。
「もう在宅は限界」と判断したわたしたち夫婦が有料老人ホームの見学に行き、
待機リストに載せてもらった矢先、「首を絞められた」という話が義母から出ました。
幻覚が激しいということもあり、「(アルツハイマー型と診断されたものの)実はレビー小体型では?」
と疑ったかかりつけの内科医から拠点病院での再受診を勧められ、
再受診したところ即日入院ということになったのです。
 
「俺は酒なんか飲んでない、だから暴れたり悪いことなんか何もしてない。
あのクソババア、嘘をついて俺の悪口を医者に吹き込みやがって!」
入院の手続きをする義母を待つ間、待合室で義父はギラギラした目をしながらわたしに訴えました。
「えーっ、お義父さんはお義母さんが悪口を言ってたように聞こえたんですかあ?
わたし、一緒にいて聞いてましたけど、そんな風には全然聞こえませんでしたよ(にこっ!)
お医者さんもおっしゃってたじゃありませんか、
ちょっと疲れてしまってるみたいだし、心と身体を休めるためにしばらく入院しましょうって。」
すると、義父はさっきのギラギラが嘘のように、
「ああ、そうか、うるさいババアもいないところで、
好き勝手にベッドに大の字になって一日中寝てるのもいいかもな」
とにこにこ顔になったのです。
(わたし・・・死んでから閻魔さまに舌を引っこ抜かれますね、きっと
 
義父が入院したのは、24時間出入口が施錠されている閉鎖病棟でした。
入院してすぐ看護師さんによる持ち物検査があり、
隠して持ち込んだライターもタバコも見つかり(「ライターやタバコは持って行けませんよ」と言ったのに!)
義母に持ち帰られてしまった義父。
エレベーターで下へ降り、売店で買えばいいや、と思ったらしいですが、
エレベーターホールは分かりにくい場所にあり、さらにそこへの出入口は施錠されていることもあって、
「おかしい、下へ降りる道具がない、閉じ込められた!」
と義父もすぐに気付いたようでした。
入院中も通信の自由は確保されなければならない、という決まりだそうで、
義父は連日朝5時頃から「今すぐ迎えに来い。すぐに帰る」と義母へ電話し続けているようです。
わたしたちが面会に行っても、いつも荷造りがされていて、
義父は退院する気満々なのですが、
「体中隅から隅まで検査しましょう、とお医者さまがおっしゃってますので・・・。
検査の順番を待つのに時間がかかるんですって。
お医者さまに『もういいですよ、全部終わりました』と言われるまで、
もうしばらく待ってくださいね」ということを言い続けています。
看護師さんも家族も「検査入院」ということにする、ということで意思統一しているのです。
「・・・そうか」と納得しても、すぐ忘れてしまう義父なんですけどね。
 
時間を掛けて薬を微調整し、何とか穏やかに過ごせるようになればと願っています。