まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

アラフィフ主婦、落語と格闘中。

「平林」を練習中。
 
先日またまた勉強会がありまして。
「平林」の練習をはじめてまだ日が浅いので、
今回は自主練習みたいな感じかな?とホイホイ出かけたのですが・・・。
会場に複数の高座がしつらえてあり、
なんだかヤな予感。
勘のいい方々はこうなることを予見していたのか、
いつもより欠席者がやたらと多く・・・。
しかし、勘の良くないわたしはしっかり出席してしまいまして。
 
案の定、いくつかのグループに分かれて
いきなりご披露させられることになってしまいました!
「いや、こんなことになっちまうなんて予想外だったでしょう?
練習あんまりして来なかった人だっているでしょう。
頭ン中真っ白けになっちゃって話が飛んじゃう人だっているでしょう。
それでいいんです。
むしろそれがいいんです。
人前でやってみて飛んじゃった話は、
かえって良く頭に入るようになる。
あたしの経験上、ホントのことです。」
師匠はニコニコしながらそんな風におっしゃってました。
 
トップバッターは「桃太郎」を練習している60代の女性。
ボランティアをいくつも掛け持ちなさっているという、
百戦錬磨のすごい方です。
「あらあ、嫌だわあ、あたし、ちゃんと出来るかしら。」
そんな風に言ってたのはただの謙遜で、
台本を一字一句の間違いもなく完璧に覚えておいででした。
それに加えてちゃんとまくらまで振っておられました。
「げげげっ!!!」聞いている私たちは内心真っ青。
誰も二番手をやりたがらず、「平林」を練習してる数人でじゃんけんしました。
誰が負けて二番手になったのかと言うと・・・当然、わたし。
勘も運も悪いヤツです。
 
人生二度目に上がった高座はやはりやたらと高くて、
しかも目の前にはすぐ人の顔、顔、顔、目玉、目玉、目玉。
高所恐怖症+対人恐怖症のわたしは、もう死にそうな恐怖で
全身がガクガク、心臓はバクバク。
「まくら、まくら。」
待ってる間に急いで考えたまくらを振ります。
「平林」は無筆で、しかもやたらと忘れっぽい小僧さんが出て来る噺なので、
わたしがやっちゃった「忘れちゃった話」でちょっとくすぐってから、
噺に入ることにしようと高座に上がる前は考えてたはずが・・・。
頭、真っ白。
何を言ってるんだか、普段から良くない滑舌が絶望的に悪くなり、
アワアワ、フガフガ。
自信がないから声も小さくなるし、顔もうつむき加減になるし。
「これじゃいけない」って分かっていても、どうにもならなかったです。
「平林」組はみんな似たりよったりで、全員終わった途端に反省モード。
「見るとやるとじゃ大違い」、この先どうしたらいいかなあ・・・と、
途方に暮れているのが傍目にもはっきりと分かるありさまでした。
 
しかし、習っている師匠、そして先輩のにいさん方が皆さんいい方揃いで。
下手っぴいなわたしたち一人ひとりの「いいところ」を、
見つけて褒めてくださるんです。
わたしのめちゃくちゃな噺も、
「台本通りじゃなかったけれど、自分の噺になってるとこが良かった」
と言ってくださいました。
いい歳をして打たれ弱いわたしは、ありがたいお言葉が身に染みました。
と同時に、次の勉強会までもっと頑張ろう!って気になりました。
一人ずつ同じように持ち味を褒めてもらった「平林」組の人たちも、
さっきまでの反省モードから、前向きモードに。
・・・さすが師匠。
ブラボー!!!ブラボー!!!
 
それにしても、前途多難です。
噺を通して出来るようになるだけじゃなく、
所作を付けて、しかも登場人物を話し分けなくちゃならないんですから。
落語は面白いけれど、本当に奥が深く難しいです。
次の勉強会の前に、デジカメで自分が話してる様子を撮影して、
見てみようかと思っています。
自己嫌悪で死にそうになるんだろうなあ・・・。
でも、頑張ります!