まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

落語家もどきの初高座!!!

ついに、「落語家もどき」、デビューしました!!!
 
ボランティア先の老人ホームで、今年初めての活動日に。
着物は一枚も持ってない(←第一持ってたとしても着られない)ので、
グループのメンバーにお願いして消防団の半被をお借りしました。
高座はテーブルで代用。
風呂敷を敷いて、座布団は無しです。
 
いつもはキーボードを弾いて伴奏だけしてるわたしが、
半被を着込んでにわか作りの高座もどきに上がると、
30人ほどの利用者さんたちの目が一斉にわたしに向けられました。
・・・うわあ、どうしよう、皆さん見ていらっしゃる・・・。
 
ゆっくり、はっきり、大きな声で、元気よく。
師匠が繰り返しおっしゃったことです。
兎にも角にも、聞こえなければ、聞き取れなければ、どうにもならないよ、と。
 
ゆっくりおじぎをして、皆さんを見回し、大きな声でゆっくりと話しました。
まず、どうして、こんな恰好をして高いところへ座っているか。
それから、わたしの高座名。
すかさず、グループメンバーから「〇〇〇さん(わたしの高座名)、がんばれ!」
と声がかかります。
ありがたい援護射撃を頂いて、いよいよ小噺へ。
 
認知症の方もいらっしゃるので、あまりオチが分かりにくいものは避けて、
短くて面白くて、お年寄りが出て来るものにしました。
山奥の一軒家に、人相風体いかにも怪しげな男が訪ねて参ります。
・・・トントントン、「ごめんください、どなたかいらっしゃいますか?」
「はーい。・・・何か御用ですか?」
「ちょっとお聞きしたいのですが、ここから一番近い交番までは、
どのくらいありますか?」
「そうですねえ・・・10キロ・・・いや、15キロくらいありますかねえ」
「・・・ふっふっふっふ、そいつはありがたい。
やい、カネを出せ!」
「・・・えっ?」
「分からねえのか、カネを出せってんだ!」
「・・・ああ、はいはい、分かりました。
おーい、ばあちゃん、ちょっと来てくれー!」
「はいはい、なんでしょう?」
「・・・何なんだ、このばあさんは」
「わたしが、カネでございます」
・・・とまあ、こういう小噺をやりました。
 
今回びっくりしたのは、最初のトントントン、「ごめんください」のところで、
最前列で見ていた利用者さん3、4名が一斉に「はーい!」と返事をなさったことです。
全く予想もしていなかったので、本当に驚きました。
場数を踏んでいればアドリブで拾うことも出来たのでしょうが、
今回が初めてだったわたしはとっさのアドリブが全く効かず、
せっかくのハプニングを生かすことが出来なかったのが残念でした。
(皆さんと一緒に笑ってしまっただけでした・・・もったいない!)
大きな声で、ゆっくり、はっきり、表情も声色も仕草も結構おおげさに演じたのが良かったのか、
皆さんに本当にたくさん笑っていただけたのが嬉しかったです。
 
お世辞半分(10割?)だとは思いますが、
グループのメンバーから「すごく面白かった!」
「2か月に一つくらいずつ新しいのを聞かせて!」と言ってもらえたのも嬉しかったですが、
何よりも、傾聴の際に何人もの利用者さんから
「話がすごく面白かった」と笑顔を頂けたのがとても嬉しかったです。
 
落語家もどきにとっては、最高の初高座となりました。
楽しいことが大好き、落語が大好きだったとうさんも、
今日の様子を笑顔で見てくれていたんじゃないかな。
 
これからも、頑張ります。