まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

震えが来るほどいいドラマ!~昭和元禄落語心中~

現在NHK総合で放送中の「昭和元禄落語心中」、
いやあ、いやあ、いやあ…震えが来るほど上質なドラマです。

確か数年前の「このマンガがすごい」か何かで原作マンガを知り、
すぐ2巻ほど買って読んでみたのですが…。
どうにも原作マンガの絵が好きになれなかったのと、
落語家らしい口調を文章で表現しようとし過ぎたためか
セリフが非常に読みづらかったのとで、全部読まずに断念してしまいました。
深夜枠のアニメも見たのですが、八雲と助六の落語が落語に聞こえなかった…。
声優さんたちが落語家さんの真似をしているようにしかどうしても聞こえず、
これまた途中で見るのを断念。
今回の実写ドラマはまさに「三度目の正直」でした。
しかし、これが、まあ、空恐ろしくなるほど上質なドラマになっておりまして。

岡田将生さん。
わたしはほとんどドラマを見ないので、
今回初めて顔と名前を知った若い男優さんです。
この方が「有楽亭八雲」を演じているのですが、これがまた、
原作のイメージ通りと言うか、それ以上と言うか。
岡田さんの実年齢相応の八雲の若かりし頃から、
初老を迎えた現在(昭和52年)までを
何の矛盾も感じさせることなく演じています。
「捨てられること」をひたすら恐れ、自分の居場所を渇望する男、
親友にしてライバル、決して分けることのできない分身のようだった存在を失った
過去を持つ、暗い翳りをまとった男。
第1話を夢中で見終えて、「八雲役は一体何という俳優さんだったんだろう、
ただ者ではないな!」とびっくりしてしまいました。
(過去同じことがあったのは、「新選組!」の時の堺雅人さんだけ)。
「陰」の八雲に対する「陽」の助六を演じている山崎育三郎さんもまたすごい。
太陽のようにエネルギーを放射し続ける助六のことを、
ギリギリ大げさになり過ぎない線、リアリティを失わない線で演じています。
この方のことも、このドラマで初めて知りました。

落語の監修をなさっているのは、かの柳家喬太郎師匠。
(戦時中に「時局にそぐわない噺」をわざとかけて
警官から中止を命じられる噺家の役で第2話にちょこっとご出演もなさってました)
本物の噺家さんたちもちょろちょろとご出演です。
もうオープニングの映像から、ゾクゾクしてしまうような色気(妖気?)が
漂って来るという…。

冒頭に書いたような理由で、わたしはこのお話の結末を知りません。
この先、見るのが本当に楽しみ!です