まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

小泉今日子さんに拍手!

雑誌の対談企画で、キョンキョンこと小泉今日子さんが、
アンチエイジングっておかしい!」とはっきり言ったんですって。

わが意を得たり。
拍手、拍手、拍手~!!!

だってね、歳は取るんですよ、誰でも、何でも。
人間は致死率100%ですからね。
未だ嘗て永遠の命を手に入れて生き続けている人物は居ない(はず)なんですから。

わたしは、去年の今頃、アパレル関係の女性に外見的なダメ出しを強力に喰らいまして、
生まれて初めて髪を染めることになりました。
ボランティア仲間には「すごーい、とっても若く見えるようになった!」と言われましたが、
その「若く見える」と言うのに、残念ながら何の価値も見出せなかったのですよ。
すごく髪にいいという自然系の高価な染色剤を使ったにも関わらず、
髪がそれまでとは比べ物にならないゴワゴワとした手触りになりましたし、
洗っても取れない嫌なニオイも気になりましたし。
それに、「かぶれないように」と根元まで染めなかったために、
染めてほんの数日後から根元の白いのが非常に目立つようになったのも嫌でした。
自然に白髪交じりだった時には気にならなかったのが、
一旦染めてしまうと、その数ミリの根元の白髪がものすごく目立つように思えて、
わたし自身が心穏やかで居られなくなってしまい・・・。

何だかね、バカらしくなってしまったんですよ。
高いお金出して、心穏やかに暮らせなくなるなんて。
それで、髪を一旦ものすごく短くして、染めるのを止めました。
短くした分、こまめに切りに行くことにして1年ほど。
今では、元通りの白髪交じりの髪になりました。
おばあさんみたいな髪!と言われることもありますが、
「まあ、半世紀も生きておりますんで」と言ってにこっとすることにしております。

第一ね、「女性に歳を聞いちゃいけない」と言うでしょう?
あれって不思議な習慣だと思うんです。
そりゃね、芸能人みたいに、「年齢不詳」でなければ商売上がったり、
の人の年令を暴露したりするのはいけないですが、
一般人の歳まで聞いちゃいけないのはなぜなのか・・・。
確かに、体重は聞いちゃいけないと思います。
それと、スリーサイズもね。
その辺りは個人差が激しいですし、コンプレックスの原因にも成り得るものばかりですから。
しかし、歳は誰もが平等に取るものです。
1年経ったら1歳プラス。
同窓会に行くと、驚くくらい外見的にばらつきは生じていますが、
でも、確かにみんな同学年、老けてる人は75歳になってるけど、
若く見える人は30歳、なんてことは絶対にありません。
みんな仲良く半世紀生きた人々です。
それなのに、「女性に歳を聞いちゃいけない」と言うのは、
「女性は歳を取るのが嫌なはずだ」と言う前提に立っているものだと思うし、
そういう前提が出て来る背景には、
「女性は歳を取ってもそれを感じさせずに若く見えるべきだ」という
思いこみがあるように思えるのです。

だからこそ、「美魔女」(←誰が考えたのか、本当に失礼な言葉だと思うけど)なんてものが、
一時期もてはやされたのでしょう。
または、そういう人たちが世間的にもてはやされるように仕掛けた誰かの思惑に、
世の中が乗せられてしまっていたか。

女性向けの雑誌を見ると、つくづく女性って大変!と感じさせられます。
5歳若く見える体形を維持するために、一日の家事の合間に隙間時間を使って体操をして、
5歳若く見えるメイクをするために高い化粧品を買って、
5歳若く見える着こなしをするために高い洋服を買って、
若々しさを保つために高い機械を買って栄養素を壊さないスムージーを作って飲んで、
デトックスのためにエステやらに通い、ミネラルウォーターを買って飲み、
有機野菜を取り寄せてマクロビオティックの食事をし・・・。

こうやって書き出してみると、「アンチエイジング」ということが、
今の世の中では即経済活動と結びついていることがよく分かります。
つまりは、若くあり続けたいなら、〇〇を買わなきゃダメ、という流れに
乗せられてしまっている、ということですよね・・・うわあ。

若くは見えなくてもいいけれど、元気で暮らしたいですし、
若くは見えなくてもいいけれど、歳を取っても機嫌よく笑顔で暮らしたい。
そのためには「アンチエイジング」ではなくて、
「ウエルエイジング」(と誰かが言ってた気が・・・)であるべきなんじゃないかな。
押しとどめることが不可能な時の流れに抗い続けるのではなく、
その流れに上手く乗って人生の川を下って行くのがいいんじゃないのかな。

キョンキョンみたいに大きな影響力を持つ女性が、
胸を張って同じような考えを表明して下さったことに、
わが意を得たり!と思って嬉しくなりました。

いい歳、取りましょうよ。