まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

白いエネルギーと黒いエネルギーの話、再び

まずは以前の記事をお読みください。

就任後たった1週間で世界を混乱させている、某大統領。
連日メディアで放送されている彼の人の演説を聞いて感じたことがあります。

彼の人は国民を「怒り」とか「恐怖」とか「被害者意識」とか言ったような、
黒いエネルギーで動かそうとしています。
彼の大統領就任演説で初めて使われたという単語の数々は、
例えば「錆び付いた」とか「墓石」とか「虐殺」だとか、
ネガティブな言葉ばかりでした。
そう言う刺激的な言葉を織り交ぜながら、彼の人は国民に
「俺たちの国は不当に利益を奪われて来た」
「俺たちの国は不当に血を流させられて来た」
と「怒り」とか「被害者意識」を植え付け、
その「黒いエネルギー」を原動力として
彼の国を猛烈な勢いで進ませようとしているのだと思います。

人を動かす時に「怒り」や「恐怖」は非常に有効なモチベーションとなります。
その際たるものが「パニック」でしょう。

彼の国の前大統領は「理想」や「希望」で国民を動かそうとしたように思います。
残念ながら「理想」や「希望」で人を動かすのには、
非常な時間と手間とを必要とします。
対話に次ぐ対話を重ね、理念を理解してもらうのがどれほど大変なことか。
理解からさらに行動へと結びつけさせて行くのにどれほどの労力が必要となることか。
いろいろ批判があることは知っていますが、
政治や経済の素人であるわたしの目には、
前大統領は忍耐強くその努力を続けた人のように見えました。

その8年間の努力が、たった1週間で次々と無駄になって行くのを見ると、
ともするとニヒリズムに陥ってしまいそうにさえなります。

でも、諦めてはいけないと思います。
諦めてしまうのは、彼の人がまき散らす黒いエネルギーに
自分自身も飲み込まれてしまうことだからです。

日本の国のかじ取りをする人たちが、
彼の人の黒いエネルギーに飲み込まれてしまわないように、
わたしたちはしっかりと動きを見て行かなければならないと思っています。