まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

金子みすゞ 「夢売り」

ずーっと長い間柳宗元の「江雪」が貼られっぱなしだった我が家のトイレ。
ようやく新しい詩に貼り換えました。
今回は金子みすゞの「夢売り」です。
         
              夢売り   金子みすゞ
      
          年のはじめに
       夢売りは 
       よい初夢を
       売りにくる。

       たからの船に
       山のよう、
       よい初夢を
       積んでくる。

       そしてやさしい
       夢売りは、
       夢の買えない
       うら町の、
       さびしい子等(ら)の
       ところへも、
       だまって夢を
       おいてゆく。