まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「新選組 幕末の青嵐」

木内昇著「新選組 幕末の青嵐」を図書館で見つけて借りてきた。 
 
もう何年前になるか、大河ドラマを入口にして新選組にハマっていた頃持っていた本。
転勤するとき古本屋に売ってしまった。
そして今、「薄桜鬼」というアニメ(元はオトゲーという、
女の子向けのゲームだったらしい。
内容は噴飯ものだ。もう、びっくり!!!)を入口に、
大河ドラマにハマっている娘に読ませてやろうと思ったのだ。
 
うちの娘はあまり本を読まない。
でも、自分の興味のあることに関する本だけは、
ものすごい集中力であっと言う間に読破する。
500ページもある分厚いこの本、
借りてきてやった翌日にぼそりと、
「あの本・・・文庫版って出てない?」と聞いてきた。
「どうかな・・・新選組の本としてはあまり有名じゃないし。
でも、どうして?」と尋ねたら、
「あの本、すごく面白かったからさ。」
「まさか・・・もう全部読んじゃったの?」
「まあ、自分の好きな隊士のとこ中心にね。
斉藤一とか、藤堂平助とか、永倉新八とか。」
 
娘が学校に行っている間にわたしも久しぶりに読み返してみた。
わたしは大好きな山南敬助中心に。
新選組を直接知る人たちから、
「色白で、小太りで、背は高くなく、いつも柔和な笑顔を浮かべていて、
知り合いには必ず声を掛けてくれる温厚な好人物」と言われていた山南敬助の人物像が、
透明感のある文章の中からイキイキと見えてくる。
その心中の苦悩も、葛藤も。
そして、今回読み直してみて、わたしには沖田とうちの娘がどこか重なって見えてきて、
何だかすごく可笑しかった。
 
それにしても、この本を書いた木内昇という作家はやっぱりすごいなあ、
と思ってアマゾンで見てみたら・・・直木賞を受賞されてたのですね!!!
そうかあ、やっぱりね、ずっと前からこの人の才能に気付いてましたよ、
と一人ほくそ笑んでしまったわたしなのだった。
 
ちなみに、この本の文庫版が出ているのも分かったので即行でぽちっとしてしまった。
「地虫鳴く」という、御陵衛士側から新選組を描いた作品も。
転勤族なのに、本とCDがこうしてどんどん増えていく・・・。