まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

無口な子供

おばさんのお葬式で久しぶりに親戚に会った。
わたしがまだ小さかった頃近所に住んでいたM子おばちゃんにも20年ぶりくらいで会った。
まともに話をした、という意味では30年ぶりくらいだっただろうか。
髪は真っ白くなったものの、昔と変わらない可愛らしい笑顔とほんわかした人柄のおばちゃんの様子に、
何だかすごく嬉しくなってわたしもニコニコしながら近況など話した。
するとおばちゃんはすごく嬉しそうにニコニコしながらこう言ったのだ。
「○○ちゃんは沢山おしゃべりするようになったんだねえ。
昔はうちに遊びに来てもあんまり話さない子だったから。」
 
ああ・・・。
無口な子供。
そう、小さかった頃わたしは無口な子供だった。
だって、嬉しくなってどんどん話したりすると、家に帰ってから
「余計なことを言った」と母にすごく怒られたから。
「余計なこと言わないでおとなしくして黙ってなさい。」そう言われて毎回口をつねられてたから。
無口だった、とおばちゃんに言われて忘れてたあの頃の辛い気持ちを思い出してしまった。
 
でも、わたしは「新しいわたし」になったから。
いろいろ辛いことを経験して、一旦は壊れかけちゃったけど、
何年もかかってやっと「新しいわたし」になれた。
だから母のことももう恨んだりしない。
今、こうして何の心配もなく好きなことを話せる幸せを感じるだけ。