まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

母が・・・。

実家の母の様子がおかしい。
数年前から急激に元気がなくなり、ずっと「うつ」ではないかと疑ってきた。
病院へ連れて行ったらどうかと父に随分すすめたけれど、
「『うつ』ではないから、大丈夫だ。」の一点張りで、数年が経過してしまった。
 
先日、通院に付き添うために実家へ行ったときのこと。
通っている病院へは地下鉄とバスを乗り継いで30分ほど。
実家は地下鉄の駅までは徒歩10分、病院はバス停からは徒歩2分の距離なので、
当然公共交通機関を使って連れて行くつもりだった。
(いつもは実家の近くに住んでいる姉が自家用車で連れて行っている。)
しかし母は「疲れるから歩きたくない。」と言い、タクシーで往復してしまった。
問題なのは、その帰り道。
実家の場所が分かりづらいので、実家から歩いて3分くらいのところにある
某大型店のところで降ろしてもらったのだが・・・。
母はそこから家への帰り道が分からなかったのだ。
「あら・・・、ここはどこかしら。」明らかに自分の居場所が分からなくなり、狼狽する母。
お嫁に来てから50年以上住み慣れた町なのに。
そして驚いたことに、母はそこから実家まで歩くのも困難になっていた。
母のペースに合わせてゆっくりゆっくり歩いても、
「心臓がドキドキする。もう疲れたわ。」と言い、すぐ立ち止まってしまう。
ロコモティブ症候群、という言葉が頭に浮かんだ。
 
子供の頃から厳しく、近寄りがたい母だった。
わたしは物置や押入れに閉じ込められたり、手や口をひねり上げられたり。
正論で他人を追い詰める癖があったが、それをいいことだと誤解していた。
しかし、お洒落で凛としていて、非常に記憶力がよく、完璧な主婦だった。
それが、身だしなみにも気を使わなくなり、全体的に薄汚れた感じになってしまった。
そんな自分を恥ずかしく思ったのか、(母は昔、近所の老人の悪口をよく言っていた。
「みっともないわよね。」とか、「ああはなりたくないものね。」とか。
自分がそうなってしまった今、他人に悪口を言われるのが耐えられないのだろう。)
買い物にも行かず、出掛けることもせず、外界との接触もほとんどなく、
テレビを見て、たまに帰省する姉の子供と会うのだけを楽しみに、引きこもること数年。
認知症」とか、「老人性うつ」とか、「ロコモティブ症候群」とか言う言葉が連想される、
しぼんで不機嫌な老女になってしまった。
 
母のことは今でも好きじゃない。
わたしに対しても、うちの子供たちに対しても、
「あんまりだ」と思うようなことをいっぱいいっぱいしてきた母。
「バチが当たったんだ」と切り捨ててしまいたいのは山々だけれども、
それじゃあ、母のお骨を拾うときに気分が悪いだろうからなあ。
なんとかならないか、いろいろ調べて働きかけようと思う。
・・・貧乏くじって気もするけどね。
 
認知症や老人性うつの家族をお持ちの方が読んでいらしたら、
何かコメントいただけると嬉しいです。
「こんなことするといいよ」とか、働きかけ方のコツとか、
何でも結構です。
どうぞよろしくお願いします。