まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

年を取ってからの食事に関する常識が覆されつつあるようです。

昨夜NHK総合の「ガッテン!」の再放送をちょっと見たところ、
内容がとても面白かったのでそれにも触れつつ、
お年寄りの食事に関して最近知ったことを記事にします。

最近の研究で分かったこと。
年を取ってもタンパク質(特に肉類)を摂ることが
健康な身体を維持するために必須なのだそうです。
それから、コーヒーや牛乳を飲み、
洋風の食事を好む日本人の方が健康寿命が長いそうです。

確かに。
亡くなったわたしの両親は晩年タンパク質(特に肉類)が
足りない食事しか摂っていなかったようで・・・。
母が亡くなった後、父はわたしに「いくら年寄りだからって、
お母さんが作る飯食ってたらパサパサになりそうだった」
と何度も言っていました。
ちょっと認知症になりかけみたいになっていた母が作る食事はワンパターンで、
白米、実がちょっとだけの味噌汁(豆腐とわかめ入り)、青菜のおひたし、
切り身魚を焼いたもの、肉じゃがなどの煮物、が夕食、
あとは朝食は同じ味噌汁に納豆、昼食はわかめと揚げ玉入りのうどんでした。
肉類は煮物にほんのちょっぴり入っていただけで、タンパク質と言えば
魚と豆腐と納豆だけだったのです。
それから、母が嫌いだったため二人とも牛乳は一切飲んでいませんでしたし、
コーヒーも父が時々飲むだけで、母は全く飲んでいませんでした。

洋風の食事には肉類が多く使われています。
「肉は摂り過ぎると脂肪になる」と言う人もいますが、
日本人、特に年を取った日本人でそこまで過剰に肉類を摂取する人は
ほとんどおらず、あまり神経質になる必要はないとのこと。
それよりわたしの両親のような食生活をするお年寄りが多いことの方が
問題なのだそうです。

「ガッテン!」の番組中、「タンパク質は生命維持に欠かせない『マシーン』である」
という面白い表現が出て来ました。
たんぱく質が「マシーン」って、一体何のこと???と思いますが・・・。
例えば腕の曲げ伸ばし。
屈曲を可能にしているものは、歯車みたいな形のものが付いたたんぱく質
それがまるでファスナーか何かみたいに動くことによって、
筋肉の滑らかな動きを可能にしているのだそうです。
また、体中に張り巡らされた血管。
そのままではとてももろくてすぐボロボロになってしまう血管を、
三つ編みのロープみたいな構造の「コラーゲン」がグルグル巻きにしていることで
丈夫さと柔軟性とが保たれているのだそうです。
または、ある種のたんぱく質
これは身体に「悪さ」する物質にピタッとくっつき、
目印の光を出すのだそうです。
するとその光めがけて身体の免疫が働き、「悪さ」する物質を排除する仕組みなのだとか。

そういう働きをするたんぱく質が足りなくなったら、
滑らかな屈曲も出来なくなるでしょうし、
血管はボロボロになって切れたりするでしょうし、
免疫力も低下して悪玉物質の好き放題になってしまうでしょう。

・・・こういうこと、父たちが元気だったうちに知りたかったなあ。

科学って、間違えてることも多々ある訳で。
かつて科学界の常識とされていたことが新しい研究によって覆された例なんて
それこそ山のようにありますもん。
(有名なジャズシンガーだった「ナット・キング・コール」はその犠牲になった一人。
昔、タバコは「声を低く滑らかにする」と信じられていたので、
彼は片時もタバコを手放さなかったのです。
その結果、わずか45歳の若さで肺ガンのため亡くなりました)。
最近の例だと、「コレステロールと食事」について、
従来の考えがきれいに覆されました。
「1日1個までにしないとコレステロール値が上がる」と目の敵にされていた卵、
それからバターやイクラ、鶏レバーやエビなどの食品は
血中のコレステロールの値とほとんど関係がない、ということが分かったそうです。
卵とか大好物なのに、コレステロール値が高いからと我慢を強いられたまま
亡くなった人も多いと思いますけどね。

身近な人たちが亡くなっていくところを見ていて、
わたしは「長生きすること=幸せ」では決してないな、と思っています。
でも、生きている間は出来るだけ元気でいたいとも思っている訳で。
そのためには古い知識に固執するのでなく、
常に頭の中をアップデートして行かなければならないんだなあ。
大変だけれど、生きている限り一生勉強ですね。