まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

・・・これがイギリス人のユーモアってヤツですな!~「007 リビング・デイライツ」をみた~

お金がない、と言いながら。
youtubeで字幕がない「ジェーン・エア」(BBC制作1983年版)を見るのが苦痛になってしまい、
結局DVDを買ってしまったのです。
もう、ティモシー・ダルトンロチェスターは最高に素敵で、
またしてもわたしは、ハートのど真ん中をズキュン!!!と撃ち抜かれてしまったのです。
 
そんな訳で、ティモシー・ダルトンの代表作である、
「007 リビング・デイライツ」を借りて見ることにしました。
本当はわたし、007が大の苦手で。
ショーン・コネリーのニヤニヤ顔が印象に残る「エロエロ007」も苦手なら、
ロジャー・ムーアのハイテクに頼り過ぎだろ!な007も大層苦手でした。
ロジャー・ムーアの007に関しては、長年吹き替えをなさっていた広川太一郎さんが
徹子の部屋」に出演なさったとき、「欧米の俳優であんなにアクションがドヘタな俳優はいない。
あまりのひどさに、吹き替えしながら嫌になるくらいだ」とおっしゃっていたのが印象に残ってます。
多分ロジャー・ムーアという俳優さんは、非常に平和主義者で穏やかな方だからなんでしょうね)
ティモシー・ダルトン見たさとは言え、怖いもの見たさ的な感じだったのですが。
 
・・・結構面白かった!!!
この作品中ティモシー・ダルトン演じる007は、一人の女性のことしか見てないのです。
ダルトンボンドは、とても真面目で、一見非常に冷静なんだけど、
ちゃんと心の中にはいろんな感情があるんだよ、熱い男なんだよ、ということが、
ちょっとした仕草や目の動きなどから感じられるという、実にカッコイイ人物なのです。
(背がシュッと高くて体格がいい人が着ると、「背広」ではなく「スーツ」になるのですね。
うちのダンナさまも毎朝これ着て出勤してますけど・・・「スーツ」ではないなあ。)
それに、スーパーマンみたいに圧倒的に強くないところも現実感があってよろしいですな。
ピンチを切り抜ける方法が意外とローテクで、その辺りも好感が持てました。
 
この映画をみているうちに不思議なデジャブ感が・・・。
・・・あっ、この感じ、「そして奇跡は起こった!」を読んだときと同じだ!と感じたのですね。
どんなピンチに陥った時にも涼しい顔をして、そしてユーモアを忘れない。
日本人なら「こんな状況で冗談なんか言って、場をわきまえろ!」とかなんとか言いながら、
思考停止に陥ってしまうような危機的な場面でも、
ユーモアを忘れないことによって柔軟な思考を保つことが出来る、とでも言ったらいいか。
これが、イギリス人の「ユーモア」ってヤツなんでしょうね。
フランスの「エスプリ」はちょっと苦手なのですが、イギリスの「ユーモア」は大好き。
この映画の中で、ソ連(そんな国がありましたな~)の追手から
助手席に女性を乗せてアストン・マーチンで逃げる場面は素敵な「ユーモア」満載です。
手に汗握る場面なはずなんだけど、真面目くさってハンドルを握りながら、
さりげなくユーモアをどんどんブチかましてくるジェームズ・ボンドが何とも言えずにキュート。
 
全編通してお色気シーンもほぼゼロと言ってもいいので、
老若男女安心してどなたでもティモシー・ダルトンの雄姿を楽しめます。
結構、おすすめですよ。
 
*「そして奇跡は起こった!」とは・・・。
人類初の南極大陸横断を目指していたイギリスのシャクルトン率いる探検隊が、
南極で分厚い氷に阻まれて船を失ったものの、南極大陸の冬も耐え、
結局一人の犠牲者も出すことなく1年半後に全員生還した、という実話。
(ちょうど今から100年ほど前の出来事。)
その中でも、ピンチの時でも決してユーモアを忘れない、というイギリス人魂が炸裂している。
探検隊の人々は、どんなに壮絶な状況の中でも決してユーモアを忘れなかった。
それこそが、南極大陸での越冬、全員無事生還という奇跡を可能にした原動力だったと思う。
同行したカメラマンの撮った美しい写真も沢山掲載されている本当に面白い本。
ついで言うと、わたしが「うつ」から抜け出すきっかけを与えてくれた本でもある。