まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

オシャレでハッピーなミュージカル~ロシュフォールの恋人たち~

20年近く前に映画館のファン感謝デーの特別上映で一度だけみたこの作品。
もう一度見たくなってDVDを借りて見た。
 
20年前もものすごく感心したことだけれど、とにかくオシャレ!
もう画面全体から「おフランス」の香りが立ち上ってくる感じ。
そして、流行は繰り返すというけれど、ちょうど最近の流行とこの映画の頃の流行が似ているのか、
洋服のデザインもメイクも全く古さを感じない。
「あっ、この服、新宿の伊勢丹においてあっても全然不思議じゃないな。」と思うようなワンピースとか、
つばの広い帽子とか、ペタンコの靴とか、とにかく色がきれいで可愛らしくてシック。
イラストを描いたり洋服のデザインしたりする人は必見だと思うなあ。
 
映画の筋は結構陳腐だし、ミュージカルだというのにダンスが相当ひどかったりと、残念な点も多い。
中でも、主人公の双子を演じているカトリーヌ・ドヌーヴフランソワーズ・ドルレアック(実際の姉妹)は、
歌も吹き替えだし、ダンスも「あーあ。」な出来だし。
(二人は片方がバレエダンサーで、片方がピアニスト兼作曲家という設定だけれど、これが全くそう見えない。
バレリーナ役のカトリーヌ・ドヌーヴは姉さんよりさらにダンスが下手だし、
ピアニスト役のフランソワーズ・ドルレアックは曲に指が悲しいくらい合っていない。
ちょっとプロとしてどうなのかな?と思ってしまうレベル。)
ジーン・ケリーやジョージ・チャキリスも出てるけど、二人とも歌は(多分台詞も)吹き替えだし、
肝心のダンスもあまりパッとしない。
特にジーン・ケリーのダンスはこの映画が撮られた辺りでは完全に古臭くなってしまってたことが分かって、
結構MGMミュージカルでのジーン・ケリーが大好きなわたしとしては悲しかった。
双子の姉妹の母親役でダニエル・ダリュウが出てるけど、この人の歌は本人が歌ってて上手いし、
若かった頃のイメージのまま、きれいな中年女性になってて嬉しくなった。
 
しかーし!
この映画はダンサーが下手だろうが、主役の二人がきれいなだけでちょっと残念だろうが、
全く問題ないのである。
なぜなら・・ミシェル・ルグランの音楽が最高に素晴らしいから!!!
もう、音楽さえ聴いてれば、あとはもうどうでもいいぐらいの素晴らしさなのだ!!!
(この映画で使われている「マクサンスの唄」は、ビル・エヴァンス晩年の名アルバム
"You must believe in spring"のタイトル曲としてジャズファンにはおなじみ。)
ちなみにわたしはこの映画のサントラ盤を持ってて、お菓子を作るときによくかけている。
聴いてるだけで幸せな気分になって、お菓子が美味しくなるような気がするから。
 
男の人は見るのが辛いと思うけど、オシャレが好きだったり、可愛い雑貨が好きだったりする女性には
絶対におすすめの映画だと思う。