まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

ドキュメンタリー20min.マンガ少年の戦争を見た

NHK総合テレビで16日午前0:25から放送された
ドキュメンタリー20min.「マンガ少年の戦争」を見た。
 
子供の頃から漫画を描くのが大好きで、楽しい漫画を描いては周囲を楽しませていた山﨑祐則さん。
一方山﨑さんはペンネームを「青空高士」とするほど空に対する憧れが強かった。
そんな山﨑さんは海軍の予科練に入り、戦闘機乗りを目指す。
予科練での生活、仲間との日々のこと、はじめて飛んだ日の感激・・・。
山﨑さんが予科練での日々を面白おかしく描いた漫画からは、10代の若者らしさにあふれた、
まばゆい「青春の輝き」が感じられた。
帰郷した際に初恋の相手だった幼馴染に贈ったノートには、
モールス符号で書かれた「わが最愛の君 和子よ さらば 我 戦場に おもむかん」の文が。
しかし、戦局は次第に悪化。
楽しい内容で、緻密に描かれていた山崎さんの漫画も、
次第に色のない荒れた線での殴り書きに変わっていった。
そんな中山﨑さんは尊敬していたお兄さんを戦争で失う。
お母さんにあてた手紙の中で、山﨑さんは激しい文体で敵討ちを誓った。
やがて山﨑さんは特別攻撃隊に志願する。
当日の朝突如として知らされる出撃命令。
いつ訪れるか分からない「死」を待つ日々。
その頃書かれた山﨑さんの手紙には、もはや絵はなかった。
「さようなら」の字が大きく乱れた短い手紙。
そして、とうとう・・・。
山﨑祐則さん、享年19歳。
 
・・・うちの息子は今高校3年だよ。
ほぼ同い年じゃないか。
まだ「青年」と呼ぶのもためらわれるほどの若者の命が、
かくもむざむざと捨てられていったなんて。
憧れていた飛行機に乗せられ、「立派に死んで来い」と送り出されていったなんて。
わたしたちが安穏と暮らしていられるのは、たくさんの名もなき人々の犠牲のおかげなのだなあ。
今ある平和は、310万もの人々の命と引き換えに手に入れたものなのだ。
「無知」や「無関心」で、その尊い平和を捨て去るようなことだけは絶対にしてはならない。
 
韓国や中国ときな臭くなっている日本。
でも、絶対に絶対に戦争への道を進ませてはならない。
母としてそう強く感じさせられた番組だった。