まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

エイトレンジャーを見た。

「何だかちょっと見てみたいけど、一人じゃ恥ずかしい。」と夫が言うので、
夫と娘と三人で「エイトレンジャー」を見てきた。
 
この映画、ちょっと見はどうしようもないおバカムービーだけど、
実は設定が笑えない。
2030年代だから近未来の日本を舞台にしてるんだけど、
その日本の国の有様が結構大変なことになってるのだ。
少子化が進み人口が7500万人程度に減ってしまった近未来の日本。
政府は「小さすぎる政府」政策を敷き、警察業務その他全てを民営化。
高福祉のサービスが受けられるのは「シティ」と呼ばれる大都市に住む一部の国民のみ。
そして「シティ」に住めるのは、小学校1年で受ける今のセンター試験みたいな共通テストで、
高得点を取った一握りのエリートだけ。
テストでいい点数を取れなかった大多数の国民は、
「シティ」の外に広がる無法地帯と化したスラム街に住むしかない。
少子化が進んでいまや貴重な存在と化した子供を狙って人さらいが頻発するスラム。
詰め込み教育を施して金持ちに売りつけるため、
または臓器目当ての人身売買のため。
民営化された警察はもはや金でしか動かない。
警察署の入口には料金表が掲げられ、料金の支払えないものは門前払い。
 
どひゃー。
これは笑えないよ。
「自分の給料は全部自分のために使いたいし、子供って面倒臭そうだし。
仕事が面白いから結婚なんかしたくない」
ってのたまって結婚しない若い人たちに絶対見てもらいたい。
与謝野馨が「国民が割り勘して国を動かしてる」って言ったんだって。
そうなんだよ。
割り勘なんだよ。
結婚して子供を作って将来の納税者を生み出すってことだって、
割り勘システムを上手く機能させ続けるのには絶対に必要なことなんだ。
 
・・・って、こういう小難しいことは映画を見終わって家に帰って来てから考えたことで。
映画を見てる間は結構「バカバカしいなあ。」と思いつつ、たくさん笑って楽しんじゃってた。
関ジャニ∞は演技が上手いね。
ジャニーズのアイドルグループは中に最低一人は演技が「???」な人がいたように思うけど、
関ジャニ∞に関しては7人全員が及第点だった。
そしてベッキーの悪役ぶり。
美人が悪役をすると迫力が出るものだけど、ベッキーも例外ではなかったと思う。
笑顔を封印してのクールな悪役ぶりがすごかった。
ヒーローものにつきものの特殊効果は結構チープ。
そして「くすっ」と笑える小ネタは満載。
おまけに不覚にも泣いてしまえる感動シーンまで!
 
恒例の「この映画を野球に例えると」は・・・。
「人気に実力が付いて行ってない」と全然期待してなかったチームが、
実は結構力があって攻守になかなかの活躍ぶり!
お暇な方は見てもいいかも、な出来。