まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

出産祝いにパペットを贈ろう。

17歳と13歳。
子供たちもだいぶ大きくなった。
今までのことを振り返って、
おもちゃや絵本などの中で「育児」に一番貢献してくれたものは・・・
パペットです!
 
17歳の息子はレッサーパンダの「パンちゃん」、
13歳の娘は野ウサギの「うさうさ」を、
それぞれ大切にしている。
特に息子にとっての「パンちゃん」は特別の存在だった。
 
妹が生まれるまでの4年間一人っ子状態だった息子にとって、
「パンちゃん」はまるで「こんとあき」の「こん」みたいな、
兄弟のような存在だったのだ。
お医者さんに行ったとき。
「まずボクがモシモシしてもらうね。」と手にはめたパンちゃんを動かしながら言い、
お医者さんに聴診器をあててもらう。
「・・・全然痛くなかったよ!平気だった!今度は○○ちゃんの番。
ボク、ここで応援してるからね。」
すると結構臆病だった息子がおとなしくモシモシされたし泣かなかった。
キライな食べ物で苦戦してるとき。
「がんばれ、○○ちゃん!まず、ボク、味見してみるね。」と言い、
パンちゃんに食べさせるフリをする。
「あっ、意外とおいしいよ!」
すると、息子も「○○ちゃんも食べてみる」とパクっ。
「えらいなあ、○○ちゃん。」と言いながらパンちゃんが息子のほおにちゅっとすると、
息子の顔には何とも言えない嬉しそうな表情が浮かんだ。
そんな風に便利に躾けに使っていただけじゃない。
パンちゃんと一緒に布団で寝ていた息子は、
内緒話もパンちゃんに聞かせていたようだった。
「あのね、パンちゃん。今日ボク、おとうさんにしかられちゃったの。
言い訳するなって怒鳴られた・・・。」
グスグスと泣きながらそんな話をしていたり、
「あのね、パンちゃん、今日ね、とってもいいことがあったの。
それはね・・・。」
そんな話を小声でしていたこともあった。
出掛けるときもいつもしっかり抱っこしてたパンちゃん。
ぬいぐるみと違って手を入れてないときはクタッとしてるから、
小さい子にも抱きやすいようだった。
耳の病気で入院してたときも、
転校していじめられて辛かったときも、
パンちゃんはいつもいつも息子のそばにいた。
人一倍繊細で傷付きやすい性格だった息子が子供の世界の荒波にもまれ、
何度も転校して環境が激変する中でもグレることもなく、
また不登校や引きこもりになることもなく今まで来られたのは、
レッサーパンダの小さなパペットの功績によるところが非常に大きかったと思う。
また、初めての育児で子供とどう向き合ったらよいか困っていたわたしも、
パペットをはめ、パペットの人格(?)になり切って息子と関わることで、
「おかあさん」とは違った視点を持つことができたように思う。
パペットが親であるわたしと息子との仲立ちを上手くしてくれた、
とでも言ったら分かりやすいかもしれないが。
 
赤ちゃんが生まれてこれからお母さんになる人がいたら、
お祝いに何かパペットを贈ってあげて欲しい。
キャラクターものではなくて、
はめた人が自由に性格づけできるような動物のものがいいと思う。
それからの数年間、すごくステキな体験が出来ることをお約束する。
 
*不思議なもので、手にはめて動かしてるうちに、パペットが個性を持つのです。
 「パンちゃん」は優しくてちょっと優等生っぽい性格。
 真面目だし、人をからかったりしないし、思いやり深いとてもいい子。
 対する「うさうさ」はちょっとワル。
 人もからかうし、ふてくされたり、焼きもち焼いたり。
 表面的にはちょっとワルぶってるけど、
 実はいいヤツ、というちょっと複雑なキャラクター。
 ・・・と書きながら、パペットたちの性格が、鏡のようにそれぞれの持ち主の性格を
 反映していたことに気付いて今更ながらびっくりしました。
 なんだか面白いですねえ。
 まるでポール・ギャリコの「七つの人形の恋物語」みたいです。