まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

久しぶりに怒ってしまいました、わたし。

自治体が開いたボランティア養成講座の修了生の集まりがあって、
久しぶりに同期の人たちと会った。
なつかしい顔、顔、顔。
みなさんいろいろな場所でボランティア活動を継続していて、
その報告を和気藹々と行っていた。
ところが・・・。
同期の黒一点だった初老の男性がダメ出し。
「あなたたちはそんなボランティアをやってるんですか?
あんな講座で習ったことなんか、何の役にも立ちませんでしたよ。
だからわたしは全国に13人しか指導者がいない傾聴塾の講座を受けたんです、独自に。
これはですねえ、傾聴のシミュレーションを行って、
その会話を全部書き取ってお互いに分析・批評し合うという、それはそれは厳しいものだったんです。
わたしはその技術をもって『死にたい』とか『毒を飲んでやる』とかいう相手と向き合ってるんです。
傾聴でやるべきことはたった二つ。
相手の言うことをオウム返しにすることと、沈黙をまもること。
それ以外のことはやっちゃいけません。
それにわたしは傾聴ボランティアだから、車椅子を押すとか、
話を聞く以外のことは頼まれたって一切やらない。
大体施設の職員なんていうのは、全くなってないんですよ。
そもそもですねえ・・・」
ものすごい勢いで語る男性の顔はまだ60代とは思えないくらいシワだらけだ。
シワだらけなだけじゃなくて、見ているほうが不愉快になる、何とも表現しがたい表情が浮かんでいる。
講座を受けていたときからこの人の顔にはいつもその表情が浮かんでいた。
息子さんを若くして亡くしたというこの人は、
講座の間も何かと言うと自分がどんなに不幸な目に遭ったか、
どんなに辛い思いをしているのかを滔々と語ってしまっていた。
そして、そんな思いをしている自分にはボランティアする資格があるが、
それ以外の人には資格がない、とでも言いたげな態度が目に付いた。
そして、今日もまた。
たまたま隣に座っていたわたしはそんな態度に、
突然身体中の血液が沸騰したかのように激しい怒りを覚えた。
「ごめんなさい、失礼かとは思いますけど言わせていただきます。
みなさんそれぞれ一生懸命活動なさってます。
あなたのやり方だけが正しくて、
他の方のは間違ってる、みたいな言い方なさるのはやめていただけませんか?」
気付いた時には口から言葉が飛び出しちゃってた。
途端に凍りつく辺りの空気。
・・・あちゃー、またやってしまった。
この頃あんまり怒らなくなって、自分でも穏やかな人間になったと思ってたのに。
他の人たちだって内心この人には困ったものだと思ってただろう。
でも、気の毒な境遇の人だからと我慢してたんだろうに、
わたしったら・・・。
 
・・・・・・・。
・・・・・・・。
怪しい間があって、年輩のGさんが
「あら、もうお昼だわ。お弁当届いてるんだし、ご飯にしましょう。」
張り詰めてた空気がふうっとほどけて、みんな元の笑顔になった。
 
若かった頃に比べると回数は減ったものの、
わたしはこういう失敗を行く先々で繰り返してしまう。
四捨五入したら50歳だというのに修行が足りませんなあ。
反省、反省。