まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「おかあさんがおかあさんになった日」

「先生、この本、読んで~」
年少さんの男の子が持って来たのは、
「おかあさんが おかあさんになった日」
(長野ヒデ子作 童心社刊)という絵本。

この本、正直な話、大人はあまり
表紙の絵にそそられない類の本ですが、
お子たちには絶大な人気があります。
読み始めると、その辺で遊んでいた子たちが
みんな集まって来るのです。

臨月の大きなお腹をした女性が
入院するところから始まり、
病院の中をちょっとお散歩したり、
新生児室の様子を外からのぞいたり、
超音波検査を受けたり、
新米パパママ教室を受けたりしているうちに
産気づき、やがて出産する、という本なのですが。

わたし自身、2回お産を経験しているので、
「赤ちゃんってホントにお腹の中から
トントンって叩いて来たり、ドンドン!って
キックしたりして来るんだよ。
男の子はキックが多かったけど、
女の子はそーっと押して来ることが多かったかな。」
とか、
「超音波検査すると、お腹の中にいる赤ちゃんが見えるんだよ!
先生のお腹の中で、生まれる前のお兄ちゃんが
あくびしたの、見えたんだ!」
とか、実体験に基づいた話をしながら読んでやると、
お子たちはググググッ!と引き込まれます。

この本の素敵なところは、赤ちゃんが生まれたあとのページで、
赤ちゃんが生まれて来てくれてお母さんがどんなに嬉しいか、ということを
本当に真っすぐに、しかも
お子たちにも伝わる易しい言葉で表現しているところです。
昨日、この本を読み聞かせた直後にお迎えだった年少さんの男の子は、
迎えに来たママにいつもより激しく飛びついて行って
ママをびっくりさせていました。
多分、彼なりの感動の表現だったのだと思います。
理由を話して、「おうちに帰ったら、ぜひ
○○くんが生まれる前後のことをお話してあげてください」と言ったら、
お母さんは「喜んで!」とニコニコ笑顔で言ってくださいました。

この本の有る無しに関わらず、お子たちは
自分が赤ちゃんだった頃など、物心つく前の話を聞くのが
大好きです。
そして、今は大人になっているお母さんやお父さんたちが
子供だったときのことや、赤ちゃんだったときの話を聞くのも
本当に大好きなのです。
写真なども見せつつ、そんな話をして家族みんなが
笑顔で過ごすひとときがあれば、
お子たちはまっすぐ育っていけるような気がします。