まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

ご冥福をお祈りします、Gさん

ボランティア先の老人ホームに通所でいらしていた、
男性利用者のGさん。

亡くなったわたしのとうさんとよく似ておられたGさんと、
握手して帰って来るのが楽しみだった。

そのGさんが、しばらく前からいらっしゃらなくなった。
ホームの職員さんに消息を伺うべきか、伺わざるべきか・・・。

ずーっと迷っていたけれど、昨日思い切って伺ってみた。

「あのう、伺っていいかどうか・・・。
Gさんは、どうされたのですか?」
すると、職員さんはちょっと困ったような顔をしてこうおっしゃった。
「Gさんねえ・・・亡くなったんですよ」
心のどこかでそうじゃないかとは思っていたけれど、
職員さんからはっきりとそう伺った途端、
悲しくて涙がぽろぽろとこぼれてしまった。

「Gさんね、しばらく前に高い熱を出して入院して・・・。
それから亡くなるまであっと言う間だったの・・・。」

職員さんの話によると、Gさんは実は末期のガンだったのだそうだ。
(確かに痩せてはいたけれど、いつもニコニコしていてそんな感じは受けなかった)
ずーっとホームのデイケアに通所していたけれど、
体調を崩して入院して、ほどなく亡くなったということだった。

「・・・良かった、Gさん、あまり長いこと苦しまなかったんだ」とわたしは思った。
そして、Gさんのことを想った。
生き生きとした話し方、ひとの好さそうな笑顔、握手したときの嬉しそうな様子・・・。
まるで、亡くなったとうさんに会えたような気がして、
本当に嬉しかったっけ。
わたしはどうだっただろう、少しはGさんのお役に立てただろうか?
ほんのひととき、ほんの少しだけでも、
楽しい気持ちを共有することが出来ただろうか・・・。

Gさん、どうぞ安らかに。
天国で、仲良しだった皆さんと、また素人楽団を作ってくださいね。
ご冥福を心からお祈りいたします。