まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「燕の歌」と「雛祭(ひな)の宵」

全然週替わりになってません・・・反省。

今回の「トイレの詩」は、うちの子供たちの誕生日に関連した詩を二つ。

まずは長男の誕生日に関係した「燕の歌」から。

燕の歌    ガブリエレ・ダンヌンチオ


       弥生ついたち、はつ燕、

       海のあなたの静けき国の

       便(たより)もてきぬ、うれしき文(ふみ)を。

       春のはつ花、にほひを尋(と)むる

       あゝ、よろこびのつばくらめ。

       黒と白との染分縞(そめわけじま)は

       春の心の舞姿。
                    (上田敏訳詩集「海潮音」より 冒頭部分のみ)


続いて娘の誕生日にちなんだ「雛祭(ひな)の宵」。


       雛祭(ひな)の宵   作者不詳


      1. ぼんぼりに灯を 入るるとて
  
        電灯殊更 消すもよし

        瓔珞(ようらく)ゆれて きらめきて
  
        物語めく 雛祭(ひな)の宵

      2. 十二一重の 姫君の 

        冠少しく 曲がれるを

        直すとのべし 手の触れて

        桃の花散る 雛祭(ひな)の宵

      3. 官女三人(みたり)の まねすとて

        妹まじめの 振舞に

        加わりたまふ 母上の

        笑まひうれしき 雛祭(ひな)の宵

               ※瓔珞(ようらく)・・・貴金属を糸でつないだ装身具のこと。

               ※笑まひ・・・にこにこと笑うこと。



3月1日生まれの長男はもうすぐ21歳、

3月3日生まれの長女はもうすぐ17歳になります。

トイレに貼った詩で、二人の誕生日をお祝いしたいと思います。