まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

わたしのADHDその1 ~子供時代の兆候~

わたしと同じ障害をお持ちの方のご家族からコメントを頂いたので、
ADHDについて記事にしようと思います。
しかし、ひと言でADHDと言ってもその出方には個人差が激しいと思いますので、
あくまでも「栗ようかん個人のADHD」だということでご理解くださいますよう。
 
わたしがADHD(注意欠陥性多動症)だと分かったのは、
うつ病になってから6年ほど経過したときでした。
今住んでいる町に引っ越して来てドクターにそう指摘され、
うつ病自体がADHDの二次障害です」と言われるまで、
わたしはまさか自分がそうだとは夢にも思っていなかったのです。
なぜなら、わたしがADHDに対して抱いていたイメージは、
小中学校の頃各クラスに一人は必ずいた、
授業中ウロウロと立ち歩き、いつも上の空で先生の話を全然聞いてない子供そのものだったからです。
(わたしが学校の講師をしていた時、そう言う子に散々振り回されました。)
 
しかし、冷静に子供時代のことを振り返ってみると、
ADHDの特徴をいくつも持っていたことに気付かされました。
いくつか挙げてみると次のようなことです。
 
・忘れ物が非常に多い子供だったこと
宿題も欠かさない非常に真面目な生徒だったにも関わらず、
中学高校を通して資料集や副読本など、いつも他のクラスの子に貸してもらっていた。
どんなに注意して時間割のものを揃えたつもりでも、必ず忘れ物をしてしまっていた。
 
・遅刻が非常に多い子供だったこと
家から遠かった中学時代、いつも血相を変えて走って学校へ向かっていたが間に合わなかった。
家から学校が近くなった高校へもいつも遅刻し、
中にはテストの当日(テストだということをすっかり忘れていた)
1時間目が始まってから登校したことまであった。
「遅れてはいけない」という意識はあるものの、余計なことをあれこれしてしまっては遅刻する、
という悪循環を性懲りもなく繰り返していた。
 
・片付けが非常に苦手だったこと
「整理整頓の鬼」のようだった母に常にガミガミ怒られていたが、
どんなに頑張って片付けても数日で元の木阿弥になってしまっていた。
わたしの部屋は母から「我が家唯一の無法地帯」と呼ばれていた。
 
・常に身体のどこかを動かし続ける癖があったこと
貧乏ゆすりをしたり、机の上で指をトントンしたりする癖があり、
先生や友達にいくら指摘されたり注意されたりしても治らなかった。
 
・過集中と注意力散漫な面があったこと
楽器の練習をしたり読書をしたり文章を書いたりといった「好きなこと」には
文字通り寝食を忘れて没頭してしまい母にいつも怒られていた。
反対に「好きではないこと」をするときには集中力が全く続かず、
例えば掃除をしている最中にふと目に入った本を読みふけってしまい、
掃除していたこと自体を忘れてしまって母に怒られる、といったことを繰り返していた。
 
・感受性が豊かで、「シンクロ現象」を起こしていたこと
例としては、幼稚園くらいだった頃、「汚れ無き悪戯」という映画をテレビで見ているうちに、
主人公のマルセリーノと自分が同化してしまったことがあった。
孤児である境遇やキリスト像に「死んだお母さんに会いたい」と願った気持ち、
そして映画のラストでキリストが願いをかなえてくれ、
自らに死が訪れたときの気持ちやその亡骸を見て嘆く修道士たちの気持ちなどが、
洪水のように心に押し寄せて来てしまい、見終わったあとショックで何日間も泣き暮らした。
母には「あんたはしつこい。いくら泣いたら気が済むの?」と怒られてしまったが、
映画を見終えたときそのままの気持ちが何度でも生々しく蘇ってきてしまい、
何日経っても泣いてばかりいて親にその度に怒られた。
それ以後も先生に殴られる友達とシンクロしたり、
目の前で怒鳴り合う父と姉双方の気持ちとシンクロしたり、
電車でたまたま話しかけられた人にシンクロしたり・・・といったことを繰り返し、
しかも、その時の気持ちが何年経っても生々しく蘇ってくる、といったことに苦しめられた。
 
・小さい頃から睡眠障害があったこと
まだ両親と川の字になって寝ていた2、3歳の頃から、
わたしはうんと朝早くにひとり目が覚めてしまう子どもだった。
ゴソゴソ動いたりすると母に叱られたが、真っ暗な部屋の中に、
色とりどりの小さな光の粒で出来た帯のようなものが見えたので、
それが部屋の中を輝きながら移動していく様子を楽しみながら、
両親が起き出すのを布団の中で待つのが常だった。
小学校2年生くらいからは、なかなか寝付くことが出来ず、
また夜中に目が覚めて「金縛り」に遭うことが多くなった。
悪夢を見ることもしょっちゅうで、自分の悲鳴で夜中に目が覚めたことも何度もあった。
また、一度だけだが、寝ていた部屋の壁の中から女性が出てくるのを見たこともあった。
睡眠障害に関しては、ストレスによるものかもしれない)
 
・・・とまあ、子供時代の兆候の一部を挙げるとこういうことになるでしょうか。
そんなこんなで親(ほぼ母親)からは虐待めいた扱いを、
姉からは首を絞められたり髪の毛を持って引きずられたりと虐待を受け続け、
「お前はダメな人間だ」「性格が悪い」「だらしない」「やる気がない」と言った評価を受けてばかりいるうち、
劣等感と自己嫌悪の塊、みたいな性格をした人間へと成長していったのです。