まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

初めてハンドルを握ったときのこと

息子が東京で自動車教習所に通っている。
「無表情で怖い教官が助手席に座ってて、
『怖い、怖い』と思いながら発進しようとしたら途端にエンストした」
(息子はAT限定じゃなく、MT車も動かせる免許を取るつもり)
とか、「ガコンガコン言ってノッキングした。驚いた!」とか、
毎日メールで逐一報告して来る。
 
「自動車学校か・・・」
母は思わず遠い目になってしまう。
直進と左折だけはOK、というレベルからほとんど進歩しないまま、
運転歴だけは28年になってしまった。
 
28年前。
生まれて初めて本物の自動車を運転した日のことを、
わたしは思い出すたび爆笑し続けることだろう。
あの日。
習った通りエンジンをかけ、ギアを1速に入れてクラッチをつなぎ、
(その頃はAT限定免許、などというありがたいものは存在してなかったので)
ハンドルを握って車を発進させた。
・・・???
この車、壊れてる。
何だか、左右に怪しくユラユラするけど・・・と思っていると、
助手席の教官にブレーキを踏まれてしまった。
「お前、一体何やってるんだ?」
「えっ?・・・運転してます」
「運転してるって・・・そんな風にハンドルを動かしたら、車がふらつくだろうが!」
「ハンドルって、こうやって動かすんじゃないんですか?
だってテレビのコントとかで車の運転してる時って、
こうやってハンドルを小刻みに動かしてますけど?」
 
わたしの両親は免許を持ってなかったので、
わたしは自家用車に乗った経験がほぼなかったのだ。
それで、初めて運転するにあたって、
テレビでお笑い芸人などがコントで運転手をしてる時みたいに、
ハンドルを小刻みに絶え間なく動かしたところ、
車が怪しくふらついて教官に急ブレーキを踏まれてしまった、というわけ。
 
この話を聞くと、皆さん例外なく大笑いする。
わたしだって今となっては大爆笑せずにはいられない。
でも、28年前のわたしは、教官に
「・・・お前、馬鹿なのか?」と詰問されても返す言葉も見つからず立ち往生していたのだ。
 
息子も、きっと免許を無事手にするまで紆余曲折あるんだろうなあ。
みんなが一度は通る道。
フレー、フレー、にいちゃん!!!