海を見に行く
先週の土曜日。
夫が、勤務先の会社が協賛しているイベントを見に
海辺の町まで行くと言う。
「良ければ一緒に行かない?」
珍しく誘ってくれたので付いて行くことにした。
高速を飛ばしてもたっぷり2時間以上。
まだ海は見えなくても海辺の町は空の色が違う。
ぐるりを山に囲まれていない分空が明るく感じられる。
普段360度山に囲まれた町で暮らしているわたしは、
ただその空を見ただけで解放されたような気持ちになる。
イベント終了後、海を見に行く。
小さな灯台が立つ小高い場所から
夕暮れになりかけの海を臨む。
シーズンオフの海水浴場に移動して
波打ち際まで行く。
曇りがちの日で残念ながら海に沈む夕日は
見られなかった。
足が濡れないように気を付けながら海に触れてみる。
海水は思いのほか温かかった。
人影もまばらな海岸で、ただ黙って寄せる波を見、波音に耳を澄ます。
傍らの夫もわたしも、黙ったままで。
ただそれだけだったけれど、わたしは
自分の魂が浄化されたように感じた。
寄せては返す波に洗われて、
わたし自身が浄化されたような気がした。