まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

七草がゆ

今年もやってまいりました、年に一度の七草がゆの日。
 
実は結婚当時「不味い」という言葉を知らなかったはずの夫に唯一ダメ出しされたのが、
七草がゆ」だったのです。
仙台の母が作っていたとおり、大根とにんじんとセリが入った白がゆに、
正月用の切り餅の残りを焼いて入れて出したところ・・・「美味しくないよ、これ」。
 
衝撃でした。
だって、わたしだって子供の頃から大嫌いだったけれど、
縁起物なんだから文句を言ったりしてはいけないと我慢して食べていたから。
それに対して夫が文句を言うなんて、思ってもみなかったのです。
何を作っても「美味しい」と言ってもらえる毎日に慢心していたわたしはショックでした。
 
次の年から、七草がゆを美味しくしようと工夫を重ねました。
そして、数年後行き着いたのが中華粥だったのです。
大きな鍋に洗った米とその8倍量の水を入れ、菜箸を渡してその上から蓋をし、
4~50分加熱します。
水気を飛ばしてぽってりとした重い粥にしたら、
鶏ガラスープの素を入れ、塩で味付けした熱いスープで伸ばします。
これに、塩ゆでしてから水にさらしてアク抜きし、みじん切りにした七草を放せば出来上がり!
 
・・・これ、本当に美味しいんですよ。
娘なんか、「これ、一年に一回だけなんてもったいない。」とパクパク。
でも、相変わらず夫には不評です。
夫はなんでも「米粒の形が無くなってることが許せない」のだそうで。
「味は美味しいよ、でも、やっぱり好きじゃない」と、毎年嫌々食べて出勤して行きます。
昨日の夜遅く、夜行バスで東京へ戻って行った息子だって、
「いやあ、七草がゆが食べられないなんて残念至極」と言いながら、
実に嬉しそうにしておりました・・・ちぇっ。
 
でも、でもですよ。
家族4人、一応大病をする者もなく毎年過ごせているのは、
早起きが大の苦手のわたしが頑張って5時起きし、
唐土の鳥が渡らぬうちに」と七草を刻んでおかゆを作っているおかげでもある・・・と
信じたいなあ。