まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

ハロウィーングッズが生んだ魔法

魔女がかぶるとんがり帽子をかぶってニコニコのおばあさん。
おじいさんは大ニコニコで魔女の帽子をかぶり、ジャコランタンを持ってピースサイン
ボランティア活動の会場が、笑い声と楽しい雰囲気でいっぱいになった。
施設の職員さんは、デジカメ片手に利用者さんたちの表情を撮ろうと、
会場の中をあっちへ行ったりこっちへ行ったり。
利用者さんたちも、わたしたちグループのメンバーも、施設の職員さんたちも、
誰もが愉快な気持ちでいるのがはっきりと分かった・・・。
 
今日のボランティア活動。
グループのAさんが、家からハロウィーングッズを持ってきたことが発端だった。
「高齢者だもの、ハロウィーンが何か分からないんじゃない?」
「『西洋のお盆みたいなもの』って説明すれば何となく分かってもらえるんじゃない?
楽しそうだしさ、今日はそれを身に着けて活動することにしようよ」
いいね、いいね、と話がまとまり、私たち5名はそれぞれ黒ネコの耳カチューシャやら、
魔女帽やら、ピンクのアフロやらを身に着けて会場へと向かった。
途端に、利用者さんたちから笑い声が起こった。
「もうすぐハロウィーンなので、こんなおかしな恰好をしてきました!
ハロウィーンは西洋からやって来た新しいお祭りで、お盆みたいなものだそうです。
子どもたちが『お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!』と言いながら家を回って、
おやつをもらう、という面白いお祭りなんだそうですよ。」
進行役のAさんがそんな風に説明をして、いつも通り活動を始めた。
軽体操に紙芝居、懐かしの歌などいつもの活動を終え、最後のあいさつをした時だった。
「誰か、かぶってみたい人はいませんか?」
グループのBさんが魔女帽を掲げながら尋ねると、
「はいっ!」と手を挙げた女性がいたのだ!
かぶせてみると・・・本人も、周りの利用者さんたちも、大爆笑。
職員さんが活動を撮影するために持っていたカメラを構えると、
ダブルピースサインをして面白い顔をしたので、一同はますます爆笑した。
すると、次々に「かぶってみたい」という人が手を挙げた。
女性だけでなく、いつもはあまり元気のない男性までも。
みんな、魔女帽をかぶったりネコ耳を付けたりして、
思い思いのポーズで写真に納まった。
ちょっと引っ込み思案な人、普段はあまり反応がない人までも、
みんな他の人につられたみたいにヘンテコな帽子をかぶり、笑顔で写真に納まった。
明るい笑顔と、弾けるような笑い声と。
会場の中が魔法にかかったように素敵な空気でいっぱいになった。
 
100円ショップで手に入るような、ハロウィーングッズほんの数個が生み出した、
忘れがたい楽しいひとときだった。