まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

楽天優勝、あと1年早かったらなら。

楽天がロッテを下し、ついに日本シリーズ進出だって。
仙台はお祭り騒ぎだろうなあ。
 
とうさんにも見せてやりたかった。
とうさんは野球が大好きだったんだもん。
長年ジャイアンツのファンだった。
毎年、テレビを見ながら、ラジオを聞きながら、
「采配が悪い」
「今ピッチャー交代させないでどうすんだ!」
「今の球見逃すなんて、プロとは思えん!」
もう、悪口のオンパレード。
「そんなに悪口言うなら、見なきゃいいのに」とかあさんは呆れ顔だったけど、
翌日の朝刊も絶対スポーツ欄から読むくらい、
とにかく野球が、ジャイアンツが、大好きだったのだ。
 
仙台に楽天が来ることになったとき。
改修が終わった宮城野球場での、
楽天のお披露目みたいなのがあった時、
とうさんは何かのつてでチケットをもらったらしかった。
ねえさんの息子は、とにかくスポーツとかそういうのが大っきらいだったから、
とうさんは珍しくうちの息子に
「おじいちゃんと、野球見に行かないか?」と声をかけた。
でも、うちの息子は「行きたくない」と断ってしまったのだ。
(わたしが娘を産む前、実家へ里帰りしていたときに
かあさんに散々いじめられたのがトラウマになって、
息子はわたしの両親が非常に苦手になっていた)
とうさんは「そうかあ・・・行きたくないかあ・・・」と寂しそうに言い、
「一人で行ったって仕方がないからなあ」と言った。
(そのときのことを息子はとうさんが生きてるうちからずっと後悔していた。
でも、とうさんが息子を誘うことは二度となかった)
 
楽天のことは「・・・だって、あんなに弱いもんなあ。
出ると負け、だろ?」とは言っていたものの、
地元のチームということもあって気にはなっているようだった。
それが、Kスタ宮城で、ジャイアンツと日本シリーズとは。
 
あと1年、あと1年でいいから、
この日が早く来てくれていたら。
とうさんを連れて行ってあげられたのに。
このときが来るのが、ちょっと遅すぎた・・・。