まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

雪が積もったよ

今シーズン初めての本格的積雪。
いきなり20センチくらい積もってしまった。
昨年買ったKEENのブーツを慌てて出す。
「完全防水」「暖か」「全く滑らない底」が謳い文句だったはずだけど、
実際その通りだったのは「完全防水」だけ。
足は冷たくなるし、凍った道ではツルツル滑るし。
でも、買ったばかりだから仕方がない。
 
空はすっかりピンク色だ。
雪が本格的に降るとき、
空は一面ピンク色になる。
空がピンクになり、
空気が一層冷たくなると、
やがて音もなく雪が降ってくる。
ピンク色の空から真っ白な雪が落ちてくる不思議さ。
「蛍雪」の言葉もあるとおり、
雪が降ると夜でも明るい。
外でも新聞が読めそうなくらいに。
積もった雪が音を吸い込み、
あたりはしんと静まり返る。
そして、音を失った世界に、
雪だけが降り積もっていく。
 
・・・ロマンチックだと思われるだろうか?
旅人にとってはロマンチックだろう。
でも、ここで暮らすものにとっては、
雪がロマンチックだなんて言っていられない。
どんどん降り積もる雪を、
どんどん雪かきして道を確保しなくてはならない。
自治体が除雪してくれるのは広い車道だけ。
路地は全て人力で除雪しなければならない。
どんどん積もる、どんどん雪かきする。
一日に何度も何度も。
ここで生まれ育った人たちにとってはそう難しいことでなくても、
雪の少ない場所で育った私にとってはものすごい重労働だ。
おかしなところに力が入るものだから、
一冬が過ぎる頃には膝や肘が腫れ上がる。
腰や肩がガチガチに凝る。
連日その繰り返し。
雪国の人たちが寡黙で、我慢強くなるのも分かるなあ、と思いながら、
わたしは寡黙にも我慢強くもなれないでいる。
 
ここの冬は苦手だ。
太陽が恋しい。
干したフカフカの布団に寝られた郷里の冬がなつかしい。