まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

山下達郎 OPUS

山下達郎のベスト盤「OPUS」を買った。
何だか不思議な気持ちになった。
 
1枚目から2枚目にかけての曲を聴いていると、
日本の国が右上がりにどんどん景気がよくなっていったことを強く思い出した。
その頃の山下達郎の楽曲も、勢いがあり、
まるで助走をつけて離陸しようとしている飛行機みたいだ。
「高気圧ガール」とか、「Ride  on  time」とか聴いていると、
「ああ、そうだ、あの頃の日本は先行きに何の懸念も心配もなく、
ジャパン・アズ・ナンバーワン』なんて持ち上げられて、
みんなが幸せに愉快に暮らしていたんだっけ。」なんて考えが浮かんできた。
 
信じられないような時代。
新入社員の研修が海外旅行だったり、
アルミホイルの会社の懸賞の一等賞金が50万円(しかも10本!)だったり、
とにかく日本中がゴージャスで、騒々しくて、エネルギッシュだった時代。
それが潮が引くようにあっという間に過去の話になってしまった。
あの頃の栄華は二度と戻っては来ないだろうけれど、
あの頃の音楽を聞くと残り香を思い出すことは出来る。
 
山下達郎の楽曲が成熟した大人の歌になったように、
日本の国も成熟した大人の国になれたのだろうか。
それとも、あの栄華の亡霊をしつこく追い求めているだけの、
斜陽の国に成り下がってしまったのだろうか・・・。