まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

子育てを支えてくれた本~赤ちゃんのいる暮らし~

おおかみこどもの雨と雪」を見ていたら、
花の本棚に「赤ちゃんのいる暮らし」が置いてあるのが一瞬映った。
なんだか、とても懐かしい気持ちになった。
 
初めての子育てに悪戦苦闘していた17年前。
「いいお母さんにならなくちゃ」と意気込んでいたわたしは、
子育て情報の海で溺れそうになっていた。
「わたしの赤ちゃん」やら何やら、育児雑誌を何冊も買い込み、
「いい子育て」しなくてはと力みまくってたあの頃のわたし。
ある本では「こうしなさい」と言われてた方法が、
別の本では「これはしちゃいけません」と全否定されていたりする。
読めば読むほど訳が分からなくなっていった。
そんな新米お母さんをあざ笑うかのように(本当にあの頃はそんな風に感じた)
泣いたり病気になったりする息子。
知り合いも誰もいない転勤先の田舎町で途方に暮れる日々だった。
 
そんなある日、本屋で見つけたのが毛利子来先生のこの本だった。
この本は巷にあふれるいわゆる「育児マニュアル本」とは全く違った。
もっと根本的と言うか、観念的と言うか、
「赤ちゃんと暮らす」ということをどうとらえたらいいかが書かれていて、
目からうろこが落ちる思いがしたのをはっきりと覚えている。
早速買って帰ったあのときから、わたしは一体この本を何百回読み返したことだろう。
不安な気持ちを抱えながら、まるでこの本にすがるような気持ちで。
「細かいことは気にせずに、もっと赤ちゃんとの暮らしをおおらかに楽しみましょう」。
そんな当たり前のことにこの本に出会う前のわたしは気付いてなかったように思う。
 
夫の妹に赤ちゃんが生まれたとき、この本をあげた。
彼女は活用してくれたのだろうか?
映画の中で十数年ぶりにこの本と再会できて、
わたしは懐かしい気持ちでいっぱいになった。
この本の続編の「小さい子のいる暮らし」もとてもすばらしい本で、絶対おすすめ。