まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

だまされる脳

知り合いのドクター曰く、脳ってとてもだまされやすいものなのだそうだ。
どれくらいだまされやすいかって言うと、
自分自身の言葉にもだまされてしまうくらいだまされやすいものらしい。
例えばすごくピンチな時にも自分自身に「大丈夫だ。」と言い聞かせると、
脳は「あ、そうか、大丈夫なんだ。」とだまされちゃうものなのだと。
そして、大丈夫になるように働くことによって、
結果的に大丈夫になっちゃうものなのだそうな。
つまり、言葉にする→自己実現、みたいなことになるものなんだって。
 
逆もまた真なり。
忘れ物がひどい子に「あんたは忘れ物ばっかりするんだから。」と親が言い続けると、
子供は忘れ物が直るどころか、かえってひどくなってしまう。
成績の悪い子に親が「あんたは成績が悪いんだから。」と言い続ければ、
一層成績が悪くなっていってしまう。
これは、そう言えば大学で習ったけど、「ピグマリオン効果」というものなんだって。
「窓ぎわのトットちゃん」の中で黒柳徹子さんが校長先生にいつも
「きみは、本当はいい子なんだよ。」と言い続けてもらったことが非常に救いになった、
と書いておられるけれど、あれは本当のことなんだよね。
その頃の黒柳さんは(よく言われているように明らかに発達障害で)問題行動が非常に多かったけれど、
「きみは悪い子だね。」とか「注意力が足りないね。」とかもし言われ続けていたとしたら、
今の黒柳さんはなかったことだろうと思う。
悪いことをあげつらうのではなく、
「こうなってくれたらいいな」と思う方向へ誘導していけるような言葉をかけつづけることが、
本当はとても大切なことなんだよね。
せっかく脳はお人よしでだまされやすく出来てるんだから、
それを上手く使っていかなくちゃ。