まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

名産地ほどダメになって行くのだろうか

西日本に住んでいる夫の知り合いから
今年も桃が送られて来た。
うちの息子が小さかった頃、夫が東京本社へ勤めていた折に
知り合った方で、以来年に2回、ご挨拶代わりに
こちらから寒い土地で穫れる果物を送ると、
先方から温かい土地で穫れる果物がお返しに送られてくる、
という関係が続いているのだ。

この桃、以前は信じられないくらい美味しかった。
箱のふたを取った途端、何とも言えずに芳しい香りが立ち上り、
その香りを深く吸い込んだだけで、
まるで天国へでも行ったような気持ちになれたものだ。

しかし、ここ数年来、目に見えて味が落ちてしまった。
味が落ちているだけならまだしも、届いた時点ですでに傷んでしまっており、
届いたものの半数近くが食べられなかったこともあったのだ。
昨年届いたものも、どこか奥の方で苦いような味がしたり、皮はきれいでも
中が茶色くなってすっかり傷んでいたりしたものが3分の1くらいあった。

今年届いたものは、地元でも美味しい桃が穫れることで有名な
農家の方に直接お願いしてくださったと言うことだったのだが、
残念ながらやはりあまり美味しくなかった。
以前のような芳しい香りが立つことも全くなく、
見た目は非常に大きくて美しいけれど、甘味の少ない桃だった。

今年、こちらからお送りした果物もあまり出来が良くなかった。
去年も一昨年も、様々な要因であまり出来が良くなかったように思う。
こちらも、以前はもっと香りが良くて美味しい果物だったのだが…。

「やはり、温暖化が原因では?」と思う。
以前に比べて、当地では風が非常に強くなり、雨は激しく降るようになった。
太陽は「赤道直下か?!」と思うような照りつけ方で、
UVカットの長い手袋をしていても時計の跡が真っ白く残る。
また、ハエに至るまで昆虫の数が激減し、その結果昆虫をエサにしている鳥たちも
ものすごく減ってしまったように感じている。
こんなに気候が短期間で激変しているのだから、
栽培する作物もフレキシブルにどんどん変えていかなければならないのだろうが、
それは本当に困難なことらしく…。

このままだと、古くからの名産地ほどダメになってしまいそうだ。