まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

キンモクセイの香りに包まれて

1か月ほどの夏休みを終えて、
昨日娘が大学のある街へと戻って行きました。

フィルムカメラを使って撮影して来る」という課題が出たとのことで、
今年の夏はきれいな風景の場所を中心に、
家族で沢山外出しました。
お隣の県に住む息子も休みを合わせて泊まりに来てくれ、
久しぶりに家族4人揃って遠出したり食事したり、
本当に楽しい夏でした。

最後の週末、娘が「ベニーランドに行きたい」と言ったので、
お彼岸のお墓参りを兼ねて仙台に行くことに。
夫と息子は仕事だったため、娘との二人旅になりました。

わたしが小さかった頃から
「♪ヤンヤンヤヤー、八木山のー、ベニーランドで広がる夢が
はっずーむよー、はっねーるよー、こーろがーるーよ!」と言う歌詞の、
妙に耳に残る歌で宣伝されている「八木山ベニーランド」は、
仙台市内にある小さな遊園地。
すぐお隣にある「八木山動物公園」と共に、小さな子供がいる家庭の
お出かけの定番です。
大きくなるまでに遠足などで幾度となく行くことになる、
市民にはお馴染みの場所。
息子がまだ小さかった頃、確か1、2度連れて行ったことがあったような…。
でも、娘と一緒に行くのは今回が初めてでした。
「入園料だけにするか、フリーパスを買うか」でちょっと迷いましたが、
奮発して二人ともフリーパスを買って入ることにしました。

日曜だというのに園内は全く混んでいませんでした。
小さなお子さん連れのファミリーが8割、残り2割は
地元の大学生のグループ、という印象。
今年で開園からちょうど50年だと言うベニーランドは、
レトロ感いっぱい…と言うか、時代が勝っている、と言うか、
有り体に言えば古びた遊具でいっぱいでした。
でも、それがかえって若い人には新鮮に映るらしく、
娘は「レトロな遊園地で写真が好きな人に人気だと聞いてはいたけど、
ホントにいい雰囲気で素敵だねえ!」と大喜びしながら、
文字が消えかけたような看板やら、
「ここより小さい子は乗れないよ」と腕を伸ばしているパンダやら、
色々なものを撮影していました。
撮り終えてしまうと、「せっかくだから、元を取るだけ乗り物に乗ろうよ」
と言うことに。
高所恐怖症のわたしは手始めに乗った観覧車の中で
腰が引けてしまい、娘に笑われてしまいました。
続いて乗った「八木山サイクロン」や「スクリューコースター」も、
動き出した途端に「やめてーーーーっ!!!」と叫んでしまい、
いよいよすごい勢いで落下したりギュルンギュルン回ったりし始めてからは
「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!」と悲鳴を上げっ放しでした。
降りてからちょっと涙目になっているわたしを見て娘は大笑い。
よほど可笑しかったらしく、「お母さんが誰よりも悲鳴上げてたね。
デートで思わず叫んじゃった男子がいても、全然目立たないくらい、
ずっと叫んでたもんね」と何度も言っていました。
もちろん、(わたしにとって)恐ろしい乗り物だけでなく、
楽しい乗り物にも沢山乗りました。
気に入った乗り物には何度も何度も乗りました。

ベニーランドのそこここに植えられたキンモクセイ
ちょうど満開で、園内はうっとりするような香りで満ちていました。
この世で一番好きな花の香りに包まれ、
「楽しいね」「面白いね」とウキウキした様子の娘を見ながら、
「こんな年になっても子供とお出かけして
遊園地でキャーキャー楽しめるなんて、
お母さん冥利に尽きるなあ」と、
わたしはしみじみ幸せを噛みしめたのでした。