まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

「SMAPの終焉」=「昭和のアイドルの終焉」、なのかもしれない。

昨日の「SMAP×SMAP」最終回を見て感じたこと。

森且行が脱退を表明したのに対してメンバー一人一人がコメントを返す映像があった。
5人の中で若き日の木村拓哉のコメントがものすごく熱量が高かったことに軽く衝撃を受けた。
オートレーサーになる森且行に「ますます負けられない」というような内容のことを言ったのだが、
全身から闘志みたいなものがギラギラと立ち上っているように感じられたのだ。
少年漫画でお馴染みの、ライバルに対して
「オメエには負けねえぜ!」的な熱い感情がほとばしっている感じがした。

・・・ああ、SMAPって「むかしびと」だったのだな、と思った。

わたしたち「昭和世代」には懐かしく心地よい感じ、
そして「平成世代」からは「ウザい」と忌み嫌われる感じ。

一生懸命事に当たること、努力すること、悔し涙を流すこと、
仲間とケンカしたり仲直りしたりすること、
仲間と爆発的な喜びや底なしの悲しみを共有すること・・・。
グループ内部では本当のところどうだったかは別として、
SMAPはそういう「昭和の価値観」の残り香がするグループだったように思う。
そこが嵐と決定的に違うところではないだろうか。

そういう意味で、わたしは「SMAPの終焉」=「昭和のアイドルの終焉」
と言えるのではないかと思う。
「昭和の価値観」からすると、
いい大人、特に大人のオトコはグダグダと言い訳したり、
泣いてグチャグチャになるところを見せたりしてはいけなかった。
だから、SMAPは最後の最後の放送も普段通り、
特別なコメントを言うことなく終わらせたのではないか、
それが彼らの「美学」だったのではないか、
とわたしは思う。

若かりし日の彼らが弾けるように笑い、
くだらなく思えることにも全力で果敢に挑戦していたVTRを見ながら、
わたしはものすごく幸せな気持ちになった。
それは「八時だよ!全員集合」や「風雲!たけし城」を家族みんなで見ていた頃のような、
懐かしさのある幸福感だった。

SMAPの解散。
それは「一つの時代が終わった」ということなのだろう。
わたしたち「昭和世代」は歳を取ってしまったのだ、きっと。