まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

歯医者さんで抗カビ剤?

定期的に通っている歯医者さん。
つい最近院長先生が代わったそうで・・・。

すると、「抗カビ剤治療」をすすめられました。

口の中からだ液や歯垢(びろうな話で恐縮です)を採られ、
それを顕微鏡で拡大した写真を見せられました。
そして、「これがカンジタというカビ、これがスピロヘータという悪玉菌です」等々、
説明を受けました。
スピロヘータって・・・梅毒の原因菌じゃなかったかなあ?
カンジタって、確かエイズにかかって免疫力が落ちた人が、
これのせいで何か病気になったりする原因になってたんじゃないかなあ、などと、
内心ちょっと驚くわたし)
実は歯周病を起こす原因はカンジタで、それが集まっているところが「巣」のようになり、
悪い細菌がくっつくのが良くないのです、
それで抗カビ剤を使って歯を磨き、
同時に強力な抗生剤を内服することによって、
巣の元になるカビとそlこに巣くう悪玉菌を根こそぎ退治すれば、
歯周病が治りますし、口臭等も全くなくなります・・・とまあ、
そういう説明でした。

わたしの母はとても歯が悪いひとで、定期的に歯医者にも通い、
ものすごく真面目に歯磨きをし、フロスやら歯間ブラシやら使っていたにも関わらず、
76歳で亡くなるときには総入れ歯になってしまっていました。
そんな母を見ていて「歯ってものすごく大事だなあ」と痛感していたわたしは、
薬品代と検査代とで4000円弱の「抗カビ剤治療」を受けることにしたのです。

「抗カビ剤」の入った目薬くらいの大きさの遮光容器と、
三日続けて内服するよう指示された抗生剤とをもらって帰宅しましたが・・・。
元々非常に天邪鬼な性格のわたしは、どこか腑に落ちない気持ちでいっぱいに。
悪玉菌と善玉菌とが混在していると言えば、
最近何かと話題の「腸内フローラ」が挙げられますよね。
善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすようにするのがいい、とは聞きますが、
一旦抗生物質を使って腸内の菌を全部殺してしまい、
フラットな状態にしたところで善玉菌だけを入れる・・・なんて話は聞いたことがありません。
第一、手術前に医師が念入りに腕の消毒と殺菌を行ったところで、
その効果が未来永劫続く訳ではないですし(手に関して言えば、
どんなに念入りに殺菌・消毒しても、通常の生活を送ればほんの数時間で
細菌の数は消毒前のレベルに戻ると聞いたことがあります)・・・。
それに、日本でこれだけアレルギー疾患が激増した原因は、
巷にまん延した「清潔信仰」にあると言う話もあるくらいですし。
口の中に棲み付いている数百種類の菌が、一体どんな相互作用をしているのかとか、
それが歯周病のように限定的な話ではなく、
全身の健康にどのようにかかわっているのかとか、
実は分かっていないことがいっぱいあるのではないかなあ・・・などという気持ちが
むくむくと湧き上がって来てしまい、
ネットでちょっと調べてみることにしました。

すると・・・。
これって、日本歯科医師会の見解として、
「オススメ出来ない」とされている治療法であることが分かったのです。

まあ、医師会と言うのは「お医者さんたちの利益を守る」という側面を持っている訳で、
「こんな治療法されたら、歯周病とか虫歯とかになる人が減っちゃって、
こちとら商売上がったり!になっちゃうよ」という焦りからそういう見解を出した、
という見方が出来ない訳ではありませんが・・・。

でも、わたしは「抗カビ剤治療」は止めておこうと思います。
特定の害虫とか害獣とかを退治する!という目的で、人間が行って来たことで、
うまく行った例をほとんど知らないからです。
ハブを退治しようと島に放したマングースが、ハブは全く退治することなく、
島固有の貴重な動物を食べちゃって絶滅寸前にしたとか、
人間の浅知恵が招いたまずい話ならゴロゴロしていますが・・・。
抗カビ剤治療も、ちょっと似た色合いの話じゃないかなあ。
加えて、どんなに口の中を殺菌したとしても、食べ物を食べればそれに必ず菌が付いています。
生きている限り、ずっと抗生剤を飲み続け、口の中を常に殺菌し続けるのでしょうか?
抗生剤は悪玉も善玉も区別なく、菌を全部殺してしまうのですから、
バランスの取れた「腸内フローラ」なんてものも遠い話になってしまいますが・・・。
それで、健康に暮らしていけるのでしょうか?

結構いい歯医者さんで気に入ってたんだけどな・・・。
また、いい歯医者さんを探さなくてはならなくなったようです。