まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

嬉しかったこと

今日、嬉しかったこと。


仕事の帰りに100円ショップに寄りました。

手つきのザルと茶封筒を買って・・・と、

すれ違った見覚えのある強面の男性。

次の瞬間、二人同時に「あっ!!!」と叫びました。

今年の春までお手伝いしていた、

福祉関係のボランティアで関わっていた方でした。

「元気にしてた?仕事始めるから辞めたって聞いたけど?」

「そうなんです。子供の進学でどうしてもお金が必要で・・・。

○○さんはお変わりなくお過ごしでしたか?」

「ありがとうございます、お蔭さまで相変わらずです」

「それは何よりです。

急に辞めることにしてしまってご迷惑おかけしました」



「この人の担当をお願いします」

そう職員さんから言われてその方に初めて会ったとき、

あまりにもヤ○ザっぽい恐ろし気な外見に内心びっくり仰天したものです。

いざボランティアとして関わるようになってからも、

その人は頑なな表情をなかなか崩しませんでした。

いろいろあって、生活保護を受けながら年取った父親と二人暮らし。

お酒で身体を壊した際の入院費が払えず、

毎月わずかずつ、何年も病院への返済を続けていました。

でも、約束の時間には一度も遅れたことがなく、

署名する文字は几帳面できちんとしていました。

「○○さんが書く字は、本当に真面目そのものという感じですね。

文字には書いた人の性格が表れるそうですよ」

毎回そんなことを言っているうちに、

その人は笑顔を見せるようになりました。

娘からもらったペンダントを目ざとく見つけて、

「あれ、今日は随分素敵なのをしてますねえ」と褒めてくださったこともありました。

「〇〇さんがこんなことをおっしゃってました」と後から福祉事務所の職員さんに報告したら、

「えーっ、あの○○さんがそんなことを?!」と職員さんが目をむいて驚いていらっしゃいましたっけ。


別れ際、その人はそれまでの笑顔から真顔になって、

「身体を大切に、くれぐれも無理しないようにしてくださいね。

病気になったら元も子もないですからね」

とおっしゃいました。

相変わらずみんなが怖がって避けて通りそうな外見でしたが、

優しい優しい言葉でした。

心に沁みる、嬉しい言葉でした。