まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

圧迫面接

大学4年の息子は現在公務員試験に向けて最後の追い込み中。
しかしながら、このところ電話での様子がいささかおかしく・・・。

息子を追い詰めていたものは「圧迫面接」でした。

圧迫面接」。
不勉強な母は初耳でしたが、
「面接官が就活生の対応能力を試すためにわざと威圧的・否定的な態度を取ったり、
意地の悪い質問をしたりすること」だそうで。
哲学科の学生たちは、次々とこれの犠牲になって追い詰められて行っているそうなのです。

「哲学専攻なんだ・・・ふーん、それでさ、哲学を勉強したキミが、
うちの会社に入って一体何が出来ると思ってるわけ?」
「哲学科かあ・・・フッ(笑い)」
「哲学って、一体どんなこと勉強したの?
うちの会社がキミを取るメリットなんてぜーんぜん無さそうなんだけど?」

息子は入学以来「前の列同盟」(最前列で講義を受ける真面目な学生)の一員なのですが、
圧迫面接」でひどい目に遭っているのは、
その「前の列同盟」の学生が多いそうで。
講義室の後ろの方に陣取り、講義中LINEしたりスマホで動画見たりしてるような、
「不真面目」な学生の方が企業ウケがいいらしいです。
何故なら、彼らは学業ではなく、バイトやサークルに精を出していたから。
企業側は、そういう学生の方が社会人として即戦力になる人材だと考えているみたいです。

「真面目に勉強して来た我々は一体何だったんだろうと・・・」
電話の向こうの息子はしょんぼりしていました。
文学部の中でも、学年最優秀の学生しかもらえない返済不要の奨学金をもらえるくらい、
一生懸命勉強して来たのに・・・。
バイトや「飲みサー(サークルの名の下、年中飲み会ばかりやっているサークルのこと)」重視の、
幽霊学生みたいな子たちの方が社会人としての素質あり、と判断されるらしいということが、
入学以来ひたすら真面目に勉強して来た息子の心をひどく傷つけているのです。

社会人としての素質って何なんでしょう。
まさか、お酒の注ぎ方が上手いかどうか・・・なんてことはありませんよね。