まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

安倍首相にお聞かせしたいこと

昨日、電話で話した息子の言葉に、
母はちょっとショックを受けたのです。

「わたしたちの世代は、日本の先行きに何の希望も見出せない」
そう息子は言いました。
「就職試験を受ける準備はしているけれど、
職場にそう長居するつもりもないしね。」
「3年くらいで離職する人がとても多いってことは知ってるけど、
そうやって転職を繰り返すと将来的に受け取る年金とか少なくなって困るんじゃない?」
そう聞いたわたしに、息子は穏やかな口調で言いました。
「年金なんて・・・。わたしたちがそんなものもらえる保証なんか、
もうどこにもないんだよ、お母さん。」
そして、さらにこう言ったのです。
「わたしたち世代の使命って言うのはね、
わたしたちから二世代くらい先に日本を穏やかに『終わらせる』ことなんじゃないのかな。
だって、もう日本なんて、どうにもならないじゃない?」
どう言葉を返したらいいか分からず黙っているわたしに、息子は
「日本の周りを見てみれば、どこもかしこも危うい国ばかり。
これでトランプがアメリカの大統領になったら一体どうなると思う?
早晩『徴兵制』だって始まるよ、きっと。
シャープみたいな大企業も台湾の会社にいいように買い叩かれたし、
さらに日本が唯一持ってた『平和』という無二のものさえ手放そうとしてる今、
もうこの国の明るい未来なんか到底思い描けないよ。
わたしもそうだけどね、英語とか外国語が出来る者から順に、
この国から逃げ出す日もそう遠くないかもね」と、
いつものように穏やかそのものの口調で言ったのでした。

高等教育を受けた、本来なら国の財産になるはずの若い世代が、
この国自体に見切りを付けようとしているのだという事実が、
母にとっては結構ショックで。

「日本の唯一世界に誇れる点だったものは、『平和な国』ってことだったでしょう?
それをあっさり手放すなんて、元からちょっとしかなかった愛国心が、
限りなくゼロに近くなってしまったよ、わたしは」

安倍首相に是非お聞かせしたい。
若い世代のこういう思いに、一体どう答えるのでしょう?
若い世代は人数的に多くないから、選挙対策としても無視しちゃって大丈夫だと、
政治家のセンセイ方はそう高をくくっているのでしょうが、
ちょっと待ってくださいな。
老人に尻尾を振って若年層を無視するということは、
すなわち過去ばかりを重んじ、未来を軽んじるということになりませんか?