まだまだいなかのねずみ

日本の片隅で妻・母・非正規雇用者している栗ようかんの思索と日常

せつなかったこと

あなたと並んで夕焼けをみる

「ああ、今日の夕焼けは特別きれいだねえ」

ああ、そうだね、きれいだね、とあなたが答える

でも わたしが見ている夕焼けとあなたが見ている夕焼けとは

ほんとうに同じ夕焼けなのだろうか

わたしが「赤」と呼ぶ色とあなたが「赤」と呼ぶ色とが

果たしてほんとうに同じものとして認識されているのだろうか

夕焼けは赤 空は青 雲は白 木の葉は緑 うちの車は銀

そんな風にあなたと話していて何の矛盾も生じていないけれど

果たしてそれらがまったく同じものとして認識されているのかは

実は誰にも確かめようのないことなのだ

そんなことに気付いたとき

わたしはちょっとだけせつなかった